好素材バンガロールで挑みながらも、マリーゴールド賞では完敗の2着。その完成度の高さと絶対的スピードをまざまざと見せつけられた佐々木晶師の言葉だが、対抗格の筆頭と目される2戦2勝のデグラーティア陣営にあっても「ここは2着で十分」の声ばかり。
1番人気馬は過去10年で2回しか勝っていない小倉2歳Sだが、今年のツルマルジャパンは人気に応えた1998年のコウエイロマン、2003年のメイショウボーラーに勝るとも劣らない絶対本命馬だ。
もちろん、その信頼度の高さは、坂口則師のいつにない雄弁、多弁さでも読み取れる。
「初めて見た時に、すごく見栄えがして“いい馬だな”と思ったし、BTCの育成所の段階でかなり乗り込まれていい動きをしていたからね。栗東の攻め馬でも好時計を連発していたし、ここまでは思い通りの2連勝だよ」
いつもはノラリ、クラリの受け答えで記者の質問を“ウ・フ・フ”とばかりにけむに巻く師から開口一番、この賛辞が飛び出すこと自体が異例中の異例。
むろん、馬自身もここにきてさらなる成長を遂げている。もともと父マンハッタンカフェを彷彿とさせるまばゆいばかりの青毛の好馬体の持ち主だが、「デビュー前はいくらか気性面に課題があって制御しきれない部分があった。それが今は馬具などを工夫して普段の調教でも掛からないし、その分、体も大きくなった。2走目のマリーゴールド賞ではプラス10kgだったが、今回はさらに増えていると思う」と師。
「最後に少し詰め寄られた千四の前走を見て、この馬の本質は千二だと思ったから、迷わずこの小倉を使うことに決めた。今度は頭数も多くて、速い馬もいるだろうが、それでもこの距離なら押し切れると思う。この重賞は過去にエイシンキャロル、エイシンイットオーで2度勝っているが、自信度でいえば今回が一番」と事実上のV宣言で締めくくった。
圧逃劇で無傷の3連勝を達成する。