チャンス大城は『細かすぎて〜』の優勝後、テレビオファーが殺到。1月20日、人気番組である『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)にゲスト出演を果たしている。
チャンス大城はこれまで「知る人ぞ知る」幻の芸人で、「地下アイドル」ならぬ「地下芸人」との異名をとっていた。そのため、彼の生々しい「すべらないエピソード」は全国の視聴者に強烈なインパクトを残すことになったほか、彼の経歴にも注目が集まった。
チャンス大城は2009年に大川興業を退社して以降は、一貫してフリーとして活動している。彼のTwitterには本人直通のメールアドレスが記載してあり、仕事のオファーはこちらから依頼できるという。
もちろん、今回のブレイクにより、大手事務所から所属の話などが来ている可能性はあるが、2017年という年は、チャンス大城に限らず、特定の芸能事務所に所属しないフリーの立場でテレビ出演を行う芸人が非常に増えた年であったとする声は多い。
例えば、『キングオブコント 2017』で準優勝となった「にゃんこスター」はキングオブコントへの参加時点では、事務所に所属していないフリーであった(現在はワタナベプロに所属している)ほか、キングオブコントの決勝へ進出したお笑いコンビ「ゾフィー」も芸能事務所へ所属したのはキングオブコント終了後の2017年10月からである。
このように、2017年のテレビ業界ではフリーの立場で賞レースに参加するパターンが急増しているのだ。お笑い業界のブッキングに詳しい放送作家はこう語る。
「以前までは、テレビ出演ができる芸人はコネのある大手プロ所属の芸人たちに限られてきましたが、近年のバラエティ班の考えは完全に実力主義で、『おもしろい人なら積極採用』の考えになっているようです。特に最近では、ネットやSNSの発達もあり、ライブや賞レースへの参加は個人の力で勝負できるので、芸能事務所に所属しない芸人は年々増えています。いい意味での実力主義になったのではないでしょうか」
しかし、その一方で以下のような事情もあるという。放送作家は続ける。「最近のバラエティ班がフリー芸人に注目しているのは、『出演料の安さ』という側面もあります。吉本やナベプロなどの大手だと全く知名度がない芸人でも、テレビに出せばひと組あたり平均5万円程度の出演料がかかります。大手は事務所の手数料が高めですからね。その一方、フリーの芸人ならばそのギャラはまさにピンキリ。1万円から最悪ノーギャラの芸人までいます。フリー芸人はスタッフサイドへ文句も言わないため、現場も非常に使いやすいのです」(某放送作家)
低コスト芸人の活用が2018年のバラエティ界の未来を決める…?