『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載されている、真鍋昌平による漫画『闇金ウシジマくん』。今クールはフジテレビで「流れ星」、「フリーター、家を買う」やその他のチャンネルも税金に関する話とか、お金に直結した内容が多いけど、その中でもダントツ、現代日本に暮らす最下層の人たちをリアルに描く。借金、暴力、風俗。主な内容といったらこの三つ。
24才で闇金業者・カウカウ・ファイナンスの社長をつとめる丑嶋馨(山田孝之)は、様々な理由で金を借りに来る客にトゴ(10日で5割)という違法な高金利で金を貸す。浪費癖のあるOLを風俗で働かせ本番を勧めたり、葬儀の香典で金を返させたり、えげつない方法で返済を迫る。そんなやり方に社員の大久保千秋(片瀬那奈)は違和感を覚えるが…。
冷静沈着、卓越した判断力で、部下たちを統率する丑嶋は、拝金社会が生み出した新たなヒーロー。身勝手な理由で金を借りに来る客を人と思わず、焦げ付く事を承知で金を貸す。青木雄二が描いた「ナニワ金融道」がサラ金の話だったら、「ウシジマくん」は闇金の話。堂々と営業しているように見えて闇金自体が犯罪なので、期日までに金を用意できなければ女は風俗に沈めて、男はマグロ漁船で働かせる。客がその後どうなろうと知ったこっちゃない。コワイコワイ、これアフリカとかじゃなくて日本話だから。信じがたいけど、これって闇金のほぼリアルなんじゃないかしら。
一度借りたらアリ地獄。学校では絶対に教えてくれない「闇金」の実態をお高い授業料を払わずとも学べるんだから、安易にお金を借りようとしている人は見ておいた方がいいかもね。暗いドラマの中で唯一の救いは、片瀬那奈演じる千秋の存在。堕ちていく女の客に「あなた、それでいいの?」と問いかける。ドラマオリジナルキャラらしいけど、キレイな顔して津軽弁を話す千秋になんかほっこり。さすが、片瀬那奈だわ。(チャッピー)