「笑いと平和の百冊シリーズ」は、「笑いと平和」をテーマに、よしもと芸人や、よしもとにまつわる書籍やムックを100冊出版するプロジェクト。「笑いと平和の百冊シリーズ」の春のフェア開催にあたり、同シリーズ宣伝部長の又吉と、岩橋が一日書店員を務めた。
イベントが始まると、特設ブースに立った2人。顧客から、「お花見におすすめの本はありますか?」「誕生日におすすめの本は?」「純文学好き向けの本は?」など、相談が向けられ、フェア本の中から最適な一冊を紹介。購入を決めた顧客を特設レジに案内した。しかし、又吉は、レジの内側に立っても勝手がわからないようで、プロの書店員から、“「ありがとうございました」とお礼を言って、おつりを渡してください”などと小声で指示を受けてから、精算作業をしていた。一方、大阪の紀伊国屋でアルバイト経験があるという岩橋は、「働いている時も違う本を持ってきて、怒られていました」などと笑いを誘っていたが、小袋の置き場所や、レジの位置などを一目見ただけで、精算作業の流れのイメージが湧くようで、テキパキとレジ業務をこなし、気持ちよい言葉と共に顧客を送り出していた。
しかし、無類の読書好きとして知られる又吉が、本の話で巻き返した。作家デビューに意欲を示したのだ。まず、又吉は、好きな作家の一人として太宰治をあげた。中学生の時は大人の世界を読んでいたが、現在は、太宰が描く作品世界が自分が生きている世界と重なると、年代によって読み方が変わっているエピソードを紹介。「読み返すたびに、おもしろいことが発見できる」と語った。エッセイや、創作四字熟語の本などを刊行しているが、小説など創作の単行本出版はまだない又吉が、「機会があれば、書いてみたいです」と、作家デビューに意欲を見せた。ただ、文学賞や芥川賞などは考えたこともなく、「芥川賞とかは恐れ多いです」と恐縮していた。(竹内みちまろ)