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JOCの猛反発で宙に浮くスポーツ庁

 東京五輪開催を受け、政府が来春にも創設を予定しているスポーツ行政を一元的に担う『スポーツ庁』の準備が暗礁に乗り上げている。

 現在、スポーツ行政の所管は五輪が文科省、パラリンピックは厚生労働省と分かれており、支援強化の観点から一本化を求める声が強かった。超党派のスポーツ議連が立ち上げたプロジェクトチーム(PT)の案は、来春、スポーツ庁を設置して傘下に新しい独立行政法人を置き、6年間で1000億にも及ぶ予算を投じるというもの。しかし、この配分にJOC(日本オリンピック委員会)が猛反発しているのだ。
 「スポーツ庁設置で最も嬉しいのは選手ではなく官僚たちです。独立行政法人を設立すれば、天下り先を確保できる。しかし、これまで不明朗な会計が多かったJOCには任せられないという主張も、わからないではない」(スポーツ紙記者)

 結局、JOCの利権に配慮した形で、PTの案は自ら会長を務める麻生太郎氏によって突き返されることとなった。
 スポーツライターの織田淳太郎氏はこう語る。
 「スポーツ庁設置というと好ましいことのように聞こえるが、中国、韓国のようにスポーツ振興によって国威発揚したい安倍首相の考えがミエミエ。しかし、中国などは5、6歳の子供がスポーツ漬けにされ、その弊害も大きいのです。JOCと役人の利権の奪い合いという視点もあるが、そもそもスポーツは気晴らしとか気散じ。参加することに意義がある五輪に、そこまで競い合うことはないと思いますがね」

 いずれにせよ、利権の調整の解決なしにはスポーツ庁の設置は不可能。やはりそこにスポーツ精神を求めることは難しいようだ。

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