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ブラジルC アテスト台風の目

 今週から5回東京競馬が開幕。土曜のメーンは激戦区の準オープンのダート戦「ブラジルC」(ダ1400m)だ。フルゲート16頭と頭数はそろったが、傑出馬は不在。加えて、上下6kgのハンデ差がついたとあって波乱ムードが漂っている。そこで、本紙特捜班は“2頭出しは人気薄から”の穴馬券の鉄則に基づき、アテストに白羽の矢を立てた。
 アテストは中央入りして7戦、まだ連対すらないが、公営在籍時はGI・全日本2歳優駿(川崎)で並み居る強豪を抑え、グレイスティアラの0秒2差2着に突っ込んだ素質馬。ようやくその片りんを見せたのが、前走の神無月S(5着)だった。
 13番人気の低評価だったが、後方で脚をため、直線で外に持ち出すと上がり3F36秒7の末脚を繰り出して初めて掲示板を確保。3着馬とはクビ、アタマ差の接戦に持ち込んだ。手綱を取った松岡騎手は「長くいい脚を使ってくれましたね。メドは立ちました」と確かな手応えを感じた様子だった。
 「夏に京都の灘S(オープン)を使った時、結果は9着だったけど、終いいい脚(上がり3F35秒7)を使ってくれたんだ。自己条件に戻れば、好勝負ができると思っていた」とは加藤征師。「大型馬の割に非力なところがあるし、まだ馬が若くて緩急が利かない。だから、末脚に懸けられる短いところなら変わってくれるんじゃないかと思って、前走は1400mを選んだんだ」と言う。
 まさに思惑通りの結果が出たわけだが、「持っているものは相当。長い目で見たいと思っているが、楽しみが出てきたね」と師。
 2カ月ぶりを叩かれて、デキは上昇の一途。先週、坂路で800m52秒8、ラスト1F12秒8をマークすると、今週は51秒7→37秒5→12秒2の絶好の動きを披露している。
 舞台は同じ東京ダ1400mで、メンバーも手薄。ハンデも前走から2kg減の53kgと恵まれただけに、アッといわせるシーンがあって不思議ない。

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