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おやじ雑学 最新版「お葬式」事情 〜遺族の負担を減らす7つ心得〜(1)

 2010年の日本消費者協会『第9回葬儀についてのアンケート調査』によると、過去3年間に「身内に葬儀のあった人」が葬儀に掛けた費用の総額は全国平均で約200万円。最高額は810万円、最低額は20万円となっている。
 平均200万円というこの数字、よくマスコミなどで取り上げられるが、しかしこれは約300人程度に対して行った調査の結果でしかない。日本全国では年間100万件前後の葬儀が営まれている。「200万円」はその中のわずか約300件のデータにすぎないのだ。

 「工夫次第で、格安で心温まる葬儀が可能です」と語るのは、一級葬祭ディレクターの寺尾俊一氏だ。寺尾氏によれば、最近広がってきたのが“よりリーズナブル”な葬儀社を探す動き。ネットには「葬儀一式25万円」などという広告が氾濫している。
 「でも『これは安い』と飛びつくと、思わぬ落とし穴が待っています」と寺尾氏は警告する。

 実際、告別式が終わってホッとしたのもつかの間、届いた請求書の金額にがくぜんとすることも多い。国民生活センターによれば、葬儀トラブルはここ5年間で1.8倍に急増しているという。原因は、葬儀の内容を葬儀社に“お任せ”することにあるようだ。
 例えば「一式25万円」と書かれているから、「これで全部賄える」と考えたら大間違い。「一式」は葬儀社が請け負う「葬儀施行費用」の“全部”を指すだけで、ほとんどの場合、「飲食費」や「霊きゅう車による移動費用」などが含まれていないことが多い。さらに、司会者の手数料、返礼品、僧侶に払うお布施、通夜の飲食費、祭壇の花、式場正面に飾る表飾りなども別勘定。

 実は葬儀業界には統一基準がなく、各社のプランに含まれる内容はまちまち。中には“悪徳葬儀社”がいて、棺の料金などを不必要に上乗せして法外な額を請求することもある。
 「棺のグレードアップは業者の常套手段。『棺は故人が入る最後の御家です』などと言われると、遺族は抵抗できず押し切られてしまうのです」と寺尾氏。
 また、僧侶に払うお布施の額も同様で、「どのくらいが相場でしょう?」などと尋ねようものなら、「平均50万円から70万円くらいですね」と高額を要求されるケースも…。お布施にはっきりとした相場があるわけではなく、中には社員に袈裟を着せて読経させる悪徳業者もいるという。

 人の死はそもそも固有のもので、葬儀・葬送に「平均」や「標準」といったものはない。葬儀に掛かる費用も、どんな葬儀をするかで大きな差が生じる。

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