通常、どの国も国内リーグの成績を加味してメンバーを選出する。だが、過去4試合で選ばれた浦和選手は、GK西川周作のみ。若手登用の一環として、国内リーグからの積極的選出を掲げていたのだが…。
「浦和は今年3月、サポーターによる人種差別的横断幕の掲示事件を起こしています。協会要人、関係者の中には『リーグ優勝=みそぎ』の図式だけは作らせたくないとの声もあります」(スポーツ紙デスク)
事件とA代表選出は、別問題である。年内の国際親善試合、ホンジュラス戦(11月14日)、オーストラリア戦(同18日)でも、ファンを納得させる人選の説明がなければ、アギーレ監督は“最恐”浦和サポーターを敵に回すことになる。
「ブラジル戦と重なったプレミアリーグ解説ですが、原専務は日本サッカー協会の許可を得てのテレビ出演でした。許可を出した協会も悪いのであって、浦和を厳しく制裁した以上、自らも襟を正す必要がある」(スポーツライター・飯山満氏)
一方、Jリーグの村井満チェアマンに求められるのは、横断幕事件と同様、迅速かつ公平な裁断である。村井チェアマンは浦和高校OB。高校時代はサッカー部に所属し、「レッズサポーター」を自称していただけに、より公正中立的な立場が求められる。
「今、A代表の正GK川島永嗣が絶不調です。所属チームのスタンダール・リエージュでミスを連発し、ホームなのにサポーターがピッチになだれ込み、自信を喪失しています。代表では9月のベネズエラ戦でも自らのミスを認めており、サポーターもブーイングを起こしています」(前出・専門誌記者)
アギーレ監督は川島を使い続ける理由として、「彼はリーダーの1人だから」と語っていた。確かに功績と影響力はサッカーファン全員が認めるだろうが、2番手の西川をこれ以上ベンチに座らせたままなら、本当に浦和サポーターは爆発してしまうだろう。
「アギーレ監督の戦術に疑問を投げる選手が多いから、求心力にも影響が出つつある。スペイン検察庁の調査次第では、早期失脚もあり得ます」(同)
もしも、身を守ってもらうために協会の言いなりになっているとすれば、浦和どころか全クラブのサポーターからレッドカードが突き付けられることになる。