そんなノリで、若いホステスに囲まれた中年の会社員の男は、金額にも動ぜず鷹揚に頷いて見せたという。
「東京都足立区のJR北千住駅に近いキャバクラでは、数年前からこうした光景が頻繁にみられていた。男は細身の身体に高級スーツをまとい、ホステスたちと興じるカラオケは、なかなかの美声だったといいます」(地元記者)
会社のクレジットカードを不正使用したとして、6月末に詐欺容疑で逮捕されたこの男、大手鉄鋼メーカー『三菱製鋼』の元社員・山本英成容疑者(45)の呆れたカネの使い道が明らかになりつつある。
「山本容疑者は'06年7月に三菱製鋼から総務担当部長として子会社に出向。社員が接待や出張に使う法人契約のクレジットカード(コーポレートカード)の管理と決済を一手に担当していたのですが、退職者から返却された複数枚のカードを廃棄せずに不正に使用していたのです。その額は、'12年までの6年間で約3億円にも上ったとされています」(全国紙社会部記者)
山本容疑者は行きつけの店4〜5軒に毎日のように現れては、札束をバラ撒くように使い込んでいたという。
「お気に入りのホステスと同伴する際には高級ブランド品をプレゼントし、借金の肩代わりまでしていたそうです。警察の調べで、わかっているだけでもキャバクラでの飲食代に約2800万円、ホステスへのプレゼント代に約3500万円が確認され、加えて新幹線の回数券約1億4500万円分を購入、換金していることもわかっています」(同)
不正発覚後は、逮捕されるまで個室ビデオ店でアルバイトで細々生計を立てていたという山本容疑者。豪遊に溺れた代償は大きかった。