去る9月4日、超党派のスポーツ議員連盟が設けた有識者会議が開かれ、サッカーくじこと「スポーツ振興くじ」に、日本バスケットボール協会のBリーグも加えられることが確認された。近く、永田町のセンセイ方が国会で法案提出し、早ければ、五輪イヤーの来年から「サッカー&Bリーグ」のくじが販売される。
「スポーツ振興くじに対象の競技を増やす目的は、東京五輪で新設、改築された施設の維持費を稼ぎ出すためです。一時期、追加競技として、プロ野球、相撲も検討されましたが、NPBと相撲協会が首を縦に振りませんでした」(スポーツ紙記者)
プロ野球に打診がされたときは「いきなり」だったが、Bリーグとは下話も済んでいるようだ。ここで思い出されるのが、川淵三郎氏。欧州各国のサッカー人気を支える1つにトトカルチョ(サッカーくじ)がある。その国内導入に奔走したのが、当時、Jリーグのチェアマンだった川淵氏であり、目下、氏はバスケのエクゼクティブアドバイザー職を務めている。
「小池百合子都知事が五輪の競技施設の縮小、横浜や地方への分散を提唱したとき、真っ先に異を唱えたのも、川淵氏です。くじの対象になれば国民の関心も高まるし、補助金も確保できます」(同・記者)
川淵氏の“政治家ぶり”は変わらないが、こんな声も聞かれた。
「プロ野球は検討時間が少ないとし、諦めました。家族連れの観客も増えましたからね。でも、スポーツ振興くじに未練を持っています。補助金があれば、地方球場の整備費に充てられ、学生球児に還元することもできますから」(球界関係者)
角界も同様だ。しかし、悲しいことに両団体とも、過去に八百長の黒歴史があって、引け目のようなものを感じている。角界の組織的八百長が露呈したのは、2011年。プロ野球に至っては、現役選手が高校野球にカネを賭けていた賭博事件からまだ3年しか経過していない。
「両団体とも、自浄努力をしたのだから堂々とくじの話を聞けばいいのに」(同)
賛否両論がありそうだが、川淵氏が政界に通じるスポーツフィクサーとなって存在感を見せつけそうだ。