夏場の調整が遅れたのは誤算だったが、萩原調教師は石橋を叩いても渡らない用意周到さで、ジャパンC1本に的を絞ってきた。
「美浦には9月12日に帰厩し、ここまで順調に乗り込めた。先週(18日)はマイネルキッツと併せて先着(0秒4差)。これで気持も乗ってくるだろうし、太めも解消するはず。休む前より体つきも身のこなしも良くなり、ほぼ態勢は整った」という。
一方、2週連続で手綱を取った横山典騎手も「先週よりまた良くなっている」と好感触をつかんでいた。
過去10年間で3歳馬の優勝は2001年のダービー馬ジャングルポケット1頭だけだが、2着4頭、3着2頭と善戦している。皐月賞で14着と屈辱的な惨敗を喫した逆境をはね返してのダービー優勝は、まさにこの馬の真骨頂。好位3番手から抜け出すと、そこから2着リーチザクラウンを4馬身突き放すベストパフォーマンスを見せた。
「道悪馬場(不良)もプラスに働いたと思うが、力がなければ勝てないレース」と萩原師。
「力はここでもヒケを取らないと思っているし、ダービー馬として恥ずかしくないレースができるはず」と腕をぶしていた。
【最終追いVTR】角馬場で約20分、体をほぐした後、坂路に入り800メートル52秒4→37秒6→12秒2。実質的な追い切りは先週に済ませているだけに、直前は終いだけ反応を確かめた程度。筋骨隆々の馬体は目立っており、九分通り態勢は整った。