「8月17日、ドーピング検査に引っ掛かったバティスタが登録抹消され、広島の球団イメージも損なわれた。バティスタの処分は決まっていませんが、球団スポンサーも黙っていないでしょう」(ベテラン記者)
主に3番を任され、今季26本塁打を放っていたバティスタの離脱は、戦力的にもマイナスだ。それもあって、巨人とのゲーム差はなかなか縮まらず、緒方孝市監督は4番の鈴木誠也を3番に上げるなど試行錯誤を続けているが、今はまだ結果は伴っていない。
「とはいえ巨人は、今年も広島戦で大きく負け越しています(7勝12敗1分=8月26日時点)。昨季優勝の原動力となった丸佳浩を引き抜いてこれですから、広島に対する苦手意識は強くなる一方です」(同)
巨人は、元侍ジャパンのスコアラーだった志田宗大氏をスタッフに迎え、「広島専属」の偵察要員にしたが、それでも勝てないのだ。
「今季のセ・リーグは、2位から4位までが混戦状態。DeNA、広島、阪神がAクラスを争っていて、広島も3位以内に入れば勝機は十分ある。ペナントレースの優勝は巨人に奪われても、クライマックスシリーズでひっくり返せばいい。CSファイナルでぶつかれば、『1勝』のアドバンテージが巨人にあっても、十分勝負できます」(球界関係者)
それだけではない。広島には“切り札”もある。丸のFA移籍による人的補償で得た長野久義だ。
「長野は不慣れな左翼守備の影響が打撃にも出て、二軍暮らしが続いていました。しかし、もともと長野はスロースターターで終盤戦に強い。その長野を、残り26試合となった23日から一軍合流させたのは、CSでの下克上に備えてのことでしょう。手の内を知る“元同僚”が相手ベンチにいるだけでも巨人にとってはやりにくいはずです」(同)
ここで長野を起用した緒方監督の“野性のカン”で、35年ぶりの日本一となるか。