3歳牝馬レディルージュが一気の世代交代を狙っている。
春の最大目標だった桜花賞こそ7着に甘んじたものの、短距離路線に切りかえたその後は(2)(1)(2)着と目覚ましい活躍ぶり。とくに、2走前の1000万・あじさいSはスプリント適性の高さを証明したレースだった。4角7番手から牝馬特有の切れ味で豪快に差し切り、2着に1馬身以上つけた内容はまさに強いのひと言だった。
前走・ジュライSはゴール板手前でタマモナイスプレイに足元をすくわれたが、前半に行きたがったため、最後で脚が上がってしまったもの。それでも半馬身差に踏ん張ったあたりは、目下の充実ぶりを感じさせた。
安田調教師もこの黒星をまったく悲観していない。
「千二を使った後の千四だから。普段より前めの位置になって、終いが甘くなってしまっただけ。うん、現状ではスプリント戦が一番合うと思っている」
今回はその1200メートルが舞台。しかも、この北九州記念は2005年にサマースプリントシリーズに組み込まれてから牝馬が3勝を挙げている“女”のためのレース。形の上では格上挑戦となるが、指揮官の意気込みはハンパではない。
「もともとスプリント能力は買っていましたからね。上のクラスでもと思っているし、ここを使って秋にそなえる予定なので、結果を出してほしい」
肝心の状態も文句なし。5日に行われた1週前追い切りは坂路を馬なりで流す程度の軽めの内容だったが、ラスト1Fは12秒8(800メートル54秒2)と確かな伸び脚を見せた。安田調教師も「相変わらず動きは申し分ないね。ずっといいデキをキープしているし、直前にビシッとやればOKでしょう」と満足気な表情を浮かべる。
いよいよ自分の“居場所”を見つけた若きスプリント娘が真夏の小倉で大爆発の予感だ。