最初の報道は6月4日、石川県七尾市で道路にオタマジャクシが「降ってきた」としか思えない様子で落ちているのが発見された。
大きさは2、3センチほど、その数は100匹ほどもあったという。その後、各地でこの怪現象の情報が寄せられた。中には事件をマネたイタズラもあるかもしれないが、すべてがそうだとは言い切れない謎を残したまま、この怪現象も今のところ収まった様子だ。
今回起こった空から地上の物体が降り注ぐ現象は、ファフロッキーズ現象(“Fall From The Skies”「空から降る、落下物」の意味の略)と呼ばれており、昔から世界中に記録が残されている。
古くは紀元2〜4世紀ころのギリシャで、カエルが降ってきたという話が残っている。17世紀、イギリス・ノーフォークでは大量のヒキガエルが降ってきて家の中にも入ってきたという。19世紀ではイギリス、インド、シンガポールなど各地で魚が降ってきた記録があり、20世紀になってもこの怪現象は続いている。
最近では1989年、オーストラリアで大量のイワシが降り、1997年、オーストリアでは体長5センチほどの魚が降ってきた。このようにファフロッキーズ現象で降ってくる物は魚の例が一番多いようだが、ほかにも多様なものが降り注いでいる。
そして、新たなファフロッキーズ現象が起きた。今年9月6日午前9時ごろ(現地時間)、タイのプーケットで不可思議なものが降り注いだ。それは、透明なガラス玉のような外見をした、柔らかい球体であったという。目撃者の話によると、にわか雨が止んだと思ったら、雨とは明らかに別のものが降ってくる音がしたという。外に出て確認してみると、100以上の小さくて透明な球体が落ちていたというのだ。
人々は当初何かの生物の卵と考えたようだが、全くの無臭であり、不思議に思ってプーケットのMedical Sciencesセンターに球体を送ったという。
この怪現象が起きた村の人々は、幸運の証しではと思う一方、UFOの落下物ではないかという考えもあるため、調査結果を待ちわびている。降り注いだ球体の正体とは一体何なのか、結果が気になるところである。