これらのツイートが“単なる愚痴”だとは到底思えない。なぜなら、今や“高ノルマ+低賃金+サービス残業”という3点セットが、多くの会社でごく普通に行われているからだ。“隠れブラック企業”などといわれるが、その比率は、ある民間シンクタンクの調査によると、何と日本の全業種の約60%にも及ぶという。
現在、政権を握る安倍政権が「長時間労働是正とゆとりある職場」をスローガンを数年前に打ち出し、今年の4月から施行が開始された「残業時間上限規制」が、皮肉にも、この隠れブラック企業の拡大に一役買っているらしい。
具体的には正規非正規に限らず、まだ仕事が終わらない社員に対し、一度定時でタイムカードを押してまた仕事を続ける“エア退社”という事実上のサービス残業を会社側が「強制している」というのだ。
なるほど、これならば記録も残らず、残業時間上限規制に引っ掛かる心配もない。まさに会社側にとっては“一挙両得”になるわけだ。そしてこのエア退社を拒否する者には上司の命令で、周囲の同僚が集中的に嫌がらせを始め、自主退職に追い込むケースも多いという。
最悪だ…。人権主義のカケラもない何ともみじめ過ぎる社会。今、大企業のパワハラ問題が大きくクローズアップされているが、個人はなぜここまで冷酷に扱われ、会社の利益のみが最優先されるのか?
「もういやだ! 全部やめろ!」と、スマホを地面にたたきつけ、多くの労働者が外で本音を叫び、それを正当な言い分として“大多数が真摯に受け止める社会”こそ、今の日本には必要なのかもしれない。