結論からいえば、その理由は過去20年にわたり、東京都が水道水の品質向上に努めてきたからだ。東京都は平成9(1997)年に水道事業の将来構想『東京水道新世紀構想STEP』を策定し、水道水の水質改善などの取り組みを続けてきた。具体的には、オゾンや生物活性炭を使った高度浄水処理設備を導入し、臭いの素から取り除く「おいしい水」づくりを行っている。その結果、東京の水道水の品質は劇的に改善されたのだ。
だが、そんな今でも水道水を直接口にすることをためらう人は多い。その理由として挙げられるのが安全性への懸念だ。水道水には殺菌に塩素が用いられていることもあるため、毎日、口にした場合の健康リスクを不安視する声が存在する。しかし、日本の水道水は世界でもトップクラスの安全性を誇り、水質検査項目ではミネラルウオーターより約3倍多くの手順を踏み、管理されている。
また、多くの人が根拠にする塩素だが、これはWHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドライン(1リットルあたり5ミリグラム)を上回っている場所は、日本のどこにもない。最大が仙台市の茂庭浄水場(同0.9ミリグラム)であり、WHO基準値のわずか18%に過ぎないのだ。
知れば知るほど安全性が高いといえる日本の水道水。ただ、外国の水道水は腹を下すこともあるので、海外に行った際はご注意を!