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『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』で犯人役にされた派遣労働者とネトゲ廃人

 『踊る大捜査線』シリーズは、過去2作が興行収入100億円を突破した国民的ヒットムービーである。7年というブランクがあった今回の3作目『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』(以下『踊る3』)では、興行的な苦戦が予想されたが、見事二日間興行収入9億7,199万3,450円、動員は70万7,399人という数字を 弾き出し、100億円突破は間違いなしといわれている。

 公開前には、事務所を辞めた水野美紀を配役から外した説、はたまた主演の織田裕二と柳葉敏郎の確執説などが噂されたが、これらの風聞の結果的に追い風となり、今回のヒットを後押しした形となった。

 だが、今回の『踊る3』の中において、表現方法に関して社会的な弱者に対する配慮がなされていないという指摘が挙がっている。作品の中で、犯罪者の設定を派遣労働者とインターネットゲームのオタクにしていることから、ネット界隈や一部識者の間で、
 「派遣労働に不本意ながら甘んじている若年層の労働者や、ネットゲームにはまりネトゲ廃人になってしまった若者に対する差別や偏見を生むのではないか」
 という声が挙がっているのだ。確かに作品中では、派遣労働者が番号で呼ばれ、名前もわからない状態であったり、ネットゲームのオタクたちのグループが犯罪に及んだり、一方的な決めつけと思えるシーンも多い。好意的に考えれば、『ヤツらを解放せよ!』とは、ネトゲ廃人をネットゲームから解放し、派遣社員を低収入から解放せよという意味かもしれないが、犯罪者描写には細心の注意が必要ではないだろうか。

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