それが2013年11月、本ミステリー記事に紹介した縄文時代に作られたとされる「怪獣土偶」のひとつ「ケンタウロスザウルス」(仮称)である。
「怪獣土偶」とは「恐竜」と表するにはあまりにもブッ飛びすぎ、へんてこりんな造形をしているトカゲ型土偶のことで山口敏太郎事務所では愛着を込めて「怪獣土偶」と呼んでいる。
種類はこれまで5種類ほど確認されており、「一角獣タイプ」「牛タイプ」などさまざまな土偶が展示されている。
今回、ご紹介している土偶は四足に人間のような上半身がくっついている不気味なもので、その姿はさながら伝説の生物「ケンタウロス」に似ていることから「ケンタウロスザウルス」と名づけている。
「ケンタウロスザウルス」は曲者ぞろいの怪獣土偶のなかでも特にユニークな造形をしており、そのおどけた姿が「かわいい」と小学生を中心に人気を集めているのだ。
通常ケンタウロスはゴツイ男性の姿をしており「かわいい」とは無縁の存在のはずなので縄文時代の作者もさぞ喜んでいることだろう。
さて、ここからが本題である。この土偶がもし本当に縄文時代に作られたとしたら数千年前の日本にはケンタウロス、もしくは下半身が4つ足の動物で上半身が人間という化物がいた、ということにほかならない。
実は世界には伝説の生物であるケンタウロスが存在していたという話は本当にある。
北米の「国際野生動物博物館」という博物館にはなんと「ケンタウロスの骨格」なる全身骨格が展示されており馬の首下から上が人間の体になっている。
作り物なのか、それとも本物なのか真意は不明だが、なかなかに衝撃的な標本である。
また、日本の妖怪にも顔が馬の妖怪は多数報告されており妖怪「馬男」は一般的に首のない馬にまたがった馬の顔をした男性の妖怪として知られている。
これらが本当にいたのかどうかはわからないが、世界をはじめ日本人もケンタウロスのような姿の化物を見ていたというのは事実のようである。
今回の「ケンタウロスザウルス」ももしかしたら縄文人が本当に「半人半馬」の生物を目撃していた証拠になるかもしれない?
写真:お台場「山口敏太郎の妖怪博物館」に展示されている「ケンタウロス型土偶」
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)