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日本女子フィギュア界が迫られる“4回転”への選択

 ロシアの新星、アレクサンドラ・トゥルソワ(13)が、3月10日までブルガリアで行われた世界ジュニア選手権で2度の4回転ジャンプを決めたことで、女子フィギュアスケート界は“新時代”に突入したが、日本勢は独自の路線を歩み出す。
 「女子の4回転成功は2002年の安藤美姫以来。海外メディアは、トゥルソワのジャンプの入り方が羽生結弦に似ているとも報じています」(体協詰め記者)

 安藤が14歳で成功させたように、女子選手も本気で習得しようと思えば、4回転はできなくはないという。やらなかったのは、ジャンプの加点となるGOE(出来栄え点)が少ないためで、“失敗のリスクを取るよりも演技構成でしっかり得点を”となり、加えて成長過程のジュニアにとっては危険として、禁止する大会もある。
 「羽生たちが五輪や世界選手権で4回転で加点されていることが女子にも影響を及ぼし、今回、トゥルソワがジャンプでも加点をもらえる演技構成を披露したというわけです。こうなると、身体能力で劣る日本勢はついていけなくなるでしょう」(同)

 トゥルソワが新時代を開いたこのジュニア世界選手権には、日本勢も参加していた。15歳の紀平梨花は3回転を決めたが、トゥルソワの出現によって完全にかき消されてしまった。4回転を練習してこなかった日本の女子選手は、この先、かなりヤバいのだ。
 「10代前半の選手は4回転が跳べる練習に切り換えてもまだ間に合いますが、本田真凜など16歳以上になると厳しい。ただ、先の平昌五輪では、日本勢の表情の豊かさを評価する声も聞かれました」(関係者)
 平昌大会での日本勢はひと昔前と違って、緊張感を楽しんでいた。何事にも明るく、楽しむ世代なのだ。

 今後、日本の女子勢は「芸術点を追求し続ける」か、あるいは「ジャンプで加点を取る」の二択となる。次世代で期待の本田にとっては厳しく、4回転と芸術点のどちらを選ぶにしてもロシア勢は遥か先を進んでいる…。

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