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CS直前に巨人が広島と阪神にコーチ人事で先制攻撃

 これも、クライマックスシリーズ(以下=CS)に向けての陽動作戦か…。
 ペナントレース優勝によってCSファイナルステージで1勝分のアドバンテージを持つ巨人が10月2日、内田順三前広島二軍監督(67)の来季コーチ入閣を発表した。
 広島はもちろんだが、阪神もこの一報を聞くなり、地団太を踏むような思いに駆られたという。
 「阪神も内田氏の招聘に動いていました。広島経営陣は他球団が動いているのを知っていましたが、『こんなに早くか!?』という心境です」(球界関係者)

 内田氏は「わたしは打撃コーチ。二軍監督ではない」というセリフを残し、広島を去った。ウエスタンリーグ全日程終了の報告のため、9月24日に松田元広島カープオーナーを訪ね、その際に辞表を提出した。二軍監督の職が不向きだというのが表向きの理由だが、内田氏が同職に着任したのは2012年。他に何か事情があったと見るべきだろう。
 「巨人が無理矢理に引き抜いた形跡は見られません。年齢的理由? 肉体的に指導が辛くなったのなら、巨人に再就職しないはずです」(同)

 自身でも打撃コーチ向きと言うように、同氏の指導には定評がある。1983年に初めて二軍打撃補佐のコーチ職に就き、以後は一軍担当、二軍と部署を変えたが、小早川毅彦、江藤智、前田智徳、金本知憲らの育成に尽力。巨人でも松井秀喜、高橋由伸、仁志敏久などを一人前に育て上げた。広島が二軍監督職を託したのは、その実績を評価しての昇格でもあった。
 「キクマルコンビ(菊池涼介と丸佳浩)も内田氏に学んだと言っていい。野村謙二郎監督も内田コーチの教え子の一人なんです。でも、野村監督が最も信頼を寄せているのは畝龍実投手兼分析コーチ。畝コーチも選手からの信頼が厚く、“分析”という肩書を持ったのは、打撃部門への関与も認められてのことでした」(同)

 畝コーチには独自の理論がある。打撃ゲージの上空部分にカメラを設置し、バット軌道を確認しながらアドバイスを送るなどし、その効果も高かった。だが、職人肌の内田コーチとは合わなかったようだ。教え子がチームを指揮している現状もあり、「広島での仕事は終えた」と感じたのだろう。そこで退団を選択したのである。
 「阪神は来季の一軍監督がどうなるか分からない状況だったため、きちんとしたオファーが出せなかったんです」(ベテラン記者)

 「内田氏をさらわれた」という思いは阪神の方が強そうだ。ウエスタンリーグの日程が終わっても、秋季教育リーグ、練習試合など公式日程は終わっていない。当面は水本勝己二軍バッテリーコーチが代行統括するが、チームへの動揺は隠せないだろう。
 「内田氏は駒沢大OBですが、東海大一校の出身でもあるんです」(前出記者)

 CSで争う阪神と広島に、思わぬところからダメージを与えた巨人。原監督の東海大派閥はいろんな状況や場面でも万能ということか。

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