卒業発表から3か月後には、神戸ワールド記念ホールで『NMB48 渡辺美優紀 卒業コンサート 最後までわるきーでゴメンなさい』と題したコンサートが行われた。このコンサートから約1か月が過ぎた8月9日に、NMB48劇場で渡辺の卒業公演が行われた。
卒業公演のオープニングで登場した渡辺は「皆さんと一緒にメチャ楽しんでいきたいです。最高のステージをお願いします」と挨拶。オープニング曲の『掌』から大きな盛り上がりを見せてくれて、序盤からメンバーもファンもハイテンション。そんなハイテンションのなか、渡辺がセンターを務めた8月3日に発売されたNMB48の15thシングル『僕はいない』が、オリコンウィークリーシングルチャート1位を獲得したことが発表された。この発表を聞いて渡辺は笑顔を見せた。
嬉しい報告を聞いたメンバー全員が、いつも以上に嬉しそうな笑顔で公演は進んでいたのだが、この公演を最後に渡辺が卒業してしまうなんて、到底思えない光景だった。本編が終了して客席からアンコールとして「みるきー」コールの声が掛かると、再びメンバーはステージに戻って来てくれた。アンコールでは『不義理』『ハンパなイケメン』『僕はいない』と続いた。新曲を劇場で披露するのは珍しいことでは無いが、この公演をもって渡辺は卒業をしてしまうので、今後は渡辺が『僕はいない』のセンターを務めることが無いので、オリジナルの最後の披露となってしまった。さらに『僕はいない』のカップリング曲、チームBIIが歌う『妄想マシーン3号機』の初披露も行われた。ここで渡辺は「卒業発表をする前から自分的にはカウントダウンしてきました。今日を迎えて、まだ不思議な気持ちで実感できていないです。淋しいとか一言では言えないですね。劇場公演って本当に落ち着く場所で、楽しい場所なんですよ。今日もメチャ楽しかったです。辞めるのを辞めたい気持ちです」と話した。そして最後の曲の『To be continued』を全員で歌いきった。
メンバーがステージを後にすると、会場からは再びみるきーコールが巻き起こり、そのコールに応えるかのように、ステージのスクリーンには、これまでのみるきーの歩みが映し出された。映像の終わりと同時に渡辺がひとりでステージに登場し、卒業ソングでもある渡辺のソロ曲『夢の名残り』を歌い、さらに戦友でもある山本彩ら1期生メンバーも駆けつけて『卒業旅行』を歌うのだが、これまで涙を見せなかった渡辺が、感極まって途中で歌えなくなってしまった。渡辺は「みんなの顔を見ると安心して涙が出てしまうんですよ。1期生のみんな来てくれてありがとう」と話した。
いよいよ卒業セレモニーが始まるのだが、これが渡辺のNMB48としての最後のトークとなった。「振り返ってみると楽しかったことや悩んだり色々ありましたけど、いつでも私にとってステージ、ライブは私の味方で、どんな時でも楽しく自分らしくいられる場所でした。卒業発表をしてから自分が思っている以上にメンバー、スタッフさん、そして皆さんに支えられていて、私は全然一人じゃないということに卒業発表してから気がつきました。今日までずっとずっと言葉では表せないくらいの感謝の気持ちでイッパイです。こんな何をしでかすかわからない私をずっと好きでいてくれた皆さんのことメチャ好きです。本当にありがとうございました」と挨拶。
そして本当の最後には渡辺のソロ曲『わるきー』を全員で歌い、卒業公演の幕を閉じた。卒業後の活動は未定だが、8月22日に『渡辺美優紀 ファーストスタイルブック MILKY」が発売され、8月21日には東京・福家書店 新宿サブナード店でイベントが開催される。
(C)NMB48 取材/ブレーメン大島