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高松宮記念 ファイングレインが春のスプリント王者に君臨

 スズカフェニックスの2連覇なるか。春の短距離王決定戦「第38回高松宮記念」(GI 芝1200m)は30日、中京競馬場で行われ、中団を進んだ4番人気のファイングレインにがい歌が上がった。勝ち時計は1分7秒1(良)。2着にはクビ差でキンシャサノキセキ、1番人気に支持されたスズカフェニックスは追い込み届かず3着に終わった。
 レースが近づくにつれ、小雨が降り始めた中京競馬場…怪しい雲行きに波乱の予兆が漂った。

 レースはスピード競馬に持ち込もうと外から内に切れ込むようにローレルゲレイロがハナを奪うにいくが、そうはさせじとエムオーウイナーがこれに馬体を併せるように絡んでいく。さらに、直後にはフサイチリシャールがピタリとつけ、展開は縦長。前半3F通過は33秒4のハイペースが刻まれた。
 こうなればいくらなんでも追い込み馬の展開。あとは、いかに前の壁があくか、あかないかだけ。先に抜け出したフサイチリシャールをめぐり、馬群を割ってきたキンシャサノキセキがラスト50mで先頭に躍り出る。それをゴール直前、外から一気に末脚を伸ばしたファイングレインが最後の最後でクビ差差し切った。
 「余計なことは考えず、馬の出たままに任せようと思っていました。馬が競馬を知ってますね。直線に入っても手応えは十分でしたし、必ず届くと確信していました」と幸騎手。ラスト十数mの逆転Vにもクールにレースを振り返ってみせた。
 一方、長浜師は「これだけの馬です。無理使いは絶対しません。目標を定めて、馬に合わせて使っていきます」と厩舎のエースにさらなる期待を寄せた。
 4番人気での勝利だったとはいえ、これで電撃戦は無傷の3連勝。上がり3Fを33秒2でまとめた瞬発力、そして、レースレコードをコンマ3秒更新したスピードは、切れ味自慢としてビリーヴとともに一時代を築いたあのデュランダルをほうふつさせる。久しくスターホースが出ていなかったスプリント路線に、ようやく大物と呼べるニューヒーローが誕生した。

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