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大阪・道頓堀から人情、お笑いが消える! 松竹芸能劇場『道頓堀角座』が7月末で閉館

 道頓堀界隈から「角座」の火が消える! 松竹芸能が2月16日、本社(大阪市中央区)の移転とともに、併設する『道頓堀角座』の7月末での閉館を発表した。有名どころでは笑福亭鶴瓶や、『よゐこ』などが所属しており、多くの芸人を抱える。全盛期の1960〜'70年代には、客席数1000以上のマンモス寄席として賑わい、『かしまし娘』など多くの人気者を輩出した。

 角座は、江戸時代の道頓堀五座(角座、浪花座、中座、朝日座、弁天座)を起源とする劇場で、松竹芸能のホームグラウンドだった。
 「その後、'80年代の漫才ブームで吉本に客が流れてしまい、'84年に閉館。2004年に『ライブスペースB1角座』として再開したが、これも'08年には閉館し、'13年7月に『道頓堀角座』として復活を果たしたのです」(地元記者)

 それが今回、結局は再開から5年で閉館することになったのだが、松竹芸能は理由の一つを、「土地所有者サイドとの契約期間満了」としている。
 ある漫才師がこう語る。
 「そもそも建物自体が仮設のような作りやから“いつやめてもええという感じでやっとるな”とは思っていましたよ。ただ、閉館と決まった以上、私らはやらせてもらえるところで一生懸命やるだけですわ」

 松竹芸能はすでに所属芸人への説明を済ませ、大阪市内で後継劇場の選定に入っている。新劇場は客席数200程度の、今より大きなものになるという。本社の移転先については、大阪市内で決定済みだ。しかし、閉館を惜しむと同時に、深刻な問題として危ぶむ声も聞こえてくる。
 「明日は我が身です」と言うのは、事情に詳しい老舗飲食店関係者だ。
 「角座と所有者の契約は、実際のところは“打ち切られてしまった”ということ。理由は、外国人観光客が増えたことによる地価高騰を受け、折り合いがつかなかったというやないですか。演芸場よりも、外国人向けの別のもん持ってきた方が儲かるいう判断やろね。このご時世、致し方ないとは思うけど、角座はインバウンドに追い出されたようなもんです。私の店があるビルなんかは、この前、オーナーが外国人に変わりました。次の契約更新が今から心配です」

 大阪ミナミでは吉本興業の『なんばグランド花月』と並ぶ演芸場の名門が7月で消えようとしている。

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