公益財団法人・動物愛護団体「Eva」で理事長を務めるなど、動物愛護活動を積極的に行い、震災問題などにも興味を示す杉本は福島原発の問題を通じて命の尊さを訴える本作について「わたしが見て来た震災を取り上げた映画とはひと味もふた味も違う」と感銘を受けた様子。
自身は被災者ではないが震災を通じ、「人生いろいろ考えられることが増えた」といい、「これからわたしたちが安心に幸せに生きていくために何が本当に必要なのか、この映画は優しい雰囲気の中も強いメッセージを出してくれています。みなさんがこの映画を見て、他人事ではなく、自分の人生の問題だと真剣に向かい合ってくれるようになることを願っています」としみじみ。
動物愛護活動については「25の頃からずっと継続している活動。日本の社会の中で動物の問題が本当にたくさん山積していることに気付き、救っても救っても終わりのない問題を根本的なところから解決していこうと組織化して活動をしている」と紹介。
原発事故時に動物を置いて逃げれないと苦悩する劇中の人たちの苦悩には特に感銘を受けたようで、「自分だったらどうするだろうってすごく考えた。あの時、避難された方はしょうがないなと思って動物を置いていかれた人もいると思いますが、できることなら絶対に家族同然の動物たちを一緒に連れて行きたかった気持ちを持ちながらだったと思います。わたしなら立ち去ることはできなかった。子供のような存在だし、我が子だし。人が安心に生きる権利さえも奪われてしまう。これは本当に罪深き問題だと思った」とコメント。
「いつも思うのは何よりも経済最優先。人として幸せに行くために一番大切なものを全部置き去りにしてきている社会。そこには愛が生まれにくい。何が大切かという優先順位をわたしたちは間違えてはいけない。愛を持っていれば絶対に間違いないし、戦争なんてものがなくなることも夢じゃない。一人一人の人間が何よりも大切なものとして愛を持って生きていく社会になれば」と訴えていた。
(取材・文:名鹿祥史)