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プロフェッショナル巧の格言 山田廣作(音楽プロデューサー) 「歌はメッセージだ」イジメ撲滅の思いを音楽に乗せて(3)

 また山田は業界の陰湿なイジメにも徹底的に戦ってきたことから“音楽業界のマイク・タイソン”とも称賛された。
 「テレビ局のプロデューサーに、プロダクションやレコード会社の社員が必死にレコードを持って売り込みのために日参する。プロデューサーはふんぞり返って話を聞くどころか、レコードをその場でゴミ箱に捨てる。許せませんでしたね。鉄拳制裁を加えたことは何回かありました」

 盲目の歌手・竜鉄也が歌った『奥飛騨慕情』('80年)。マネジャーは当時のフジテレビの人気歌番組『夜のヒットスタジオ』に出演させるため、プロデューサーH氏に日参した。
 「H氏は目が見えない歌手を出演させると『テレビ画面が暗くなる』と侮辱したんです。その話を聞いて、差別するのは絶対許せないとフジにすっ飛んで行き、H氏に鉄拳制裁を加えました。もちろん、逮捕されるのは覚悟の上。これまで一度も逮捕されなかったのは、相手が非を認めたということですよ」

 “歌はメッセージ”と主張する山田は「音楽で文化交流」というテーマにも積極的に取り組んできた。
 天童よしみの大ヒット曲『珍島物語』('96年)も中国・韓国との文化交流のために作られたものだ。
 「実は、この曲は“ムード歌謡の女王”松尾和子さんが『歌いたい』と熱望した曲なんですが、自宅で階段から転落して事故死。テイチクから天童のプロデュースを頼まれたんで、彼女がレコーディングすることになった。演歌ではないから『コブシを回すな』と注意したんですが、なかなか直りませんでしたね(笑)。また、珍島は大ちゃん(中山氏)が離れ離れになった家族がいつか一緒になれるように願いを込めて作った歌なんです。その珍島が観光旅客船のセウォル号沈没事故で有名になるなんて。大ちゃんも悲しんでますよ」

 山田・中山コンビは『珍島物語』の前にも、中国との文化交流で『無錫旅情』『大連の街から』という曲をリリースしている。
 「僕も大ちゃんも無錫市から名誉市民の称号を貰った。かつては風光明媚だった無錫市が、今では公害の町になっている。寂しい話です」
 同コンビは国交がない北朝鮮との交流を図るために、『すばらしき金剛山』('91年)を制作している。

 山田と親しいテレビ関係者は「会長は文化交流もさることながら、米国のケネディファミリーが年1回主催するゴルフコンペに日本人でただ一人、招待されている」と証言する。
 「'98年にケネディフアミリーの一員が日本に環境問題の公演で来日した時に知り合った。その後、僕が渡米した折、エセル(ロバート・ケネディの)夫人を紹介された。その際、『マイネームイズ、タイガー・ウッズ』と名乗ったのが気に入られたみたいです(笑)」

 歌によるイジメ撲滅、文化交流はこの先も続く。

やまだ・こうさく
1941年鹿児島生まれ。ゴダイゴ『ビューティフル・ネーム』など、手掛けた音楽プロデュース多数。海外で文化交流にも貢献し、昨年イジメ撲滅をテーマにしたピーター・ヤーロウ『決してあきらめないで』を発表。

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