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専門医に聞け! Q&A 環境の変化による睡眠不足

 Q:会社で慣れない部署に配属になってから、気分のむらが激しくなり、なかなか寝つけません。朝もすぐ目が冷めます。以前にも部署が急に変わったとき、不眠が2カ月ぐらい続いたことがありました。妻が睡眠薬を服用したらよいといいますが、一度服用すると癖になるのではないかと心配です。どうすればよいでしょうか。(38歳・建設会社勤務)

 A:ご質問の方は、環境が変わって新しい仕事に戸惑ったのでしょう。慣れないため、それがストレスとなって眠れなくなった。つまり、急性のストレス反応です。
 このような急性のストレスに対処する方法は、何はともあれ、よく眠ることにつきます。眠れないことが、体力の低下を助長し、それがさらにストレスを増やすという悪循環に陥ります。
 その悪循環を断ち切らなければなりませんが、十分に睡眠をとると、外的なストレス(環境の変化)は乗り越えられます。

●緊急避難のため睡眠薬を
 そのためには、緊急避難的に睡眠薬を使用するとよいでしょう。奥さんのアドバイスは正しいです。私は、薬はなるべく出さないことをモットーとしていますが、その私でさえ、睡眠薬はむしろ積極的に処方します。
 今の睡眠薬は、非常に使いやすくなっています。逆行性健忘などほとんど見られず、翌朝に眠気が残ることも少ないので、仕事に支障が出る恐れもさほどありません。
 薬に頼らないで、なんとか改善しようとがんばるよりも、不眠に関しては睡眠薬に頼るほうが賢明です。

●不眠を気にしすぎない
 睡眠薬にも、短時間効くものもあれば長時間作用するものもあります。短時間作用型の睡眠薬の服用をして、服用したらすぐに寝付くのも賢明な方法なのです。
 ご質問の方は、心療内科などを受診し、自分の生活を説明して適切な睡眠薬を処方してもらうとよいでしょう。一週間服用すると、効果が得られるはずです。緊急避難的に服用すると思えば、心の負担にもならないでしょう。
 また、ストレスと不眠についてアドバイスをしますと、神経が高ぶっているときはなかなか寝付けないものです。そういうときは、目をつぶっているだけでも疲労回復の効果があります。
 ご質問の方のように、環境が変わって一時的なストレス下にある場合、そのことを自分でしっかりと認識しましょう。
 そんなときは眠れないこともあるし、それは仕方のないことだと理解できると少し気分が楽になります。眠れないことを気にし過ぎないことも重要です。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。

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