ドレス姿で空調に当たっているのも原因だが、お酒を飲んでいる上に不規則な睡眠というのも体調を崩すことに拍車をかけている。
週4日〜5日のレギュラーで入っているキャバ嬢は、出勤予定日に休んでしまうと罰金を取られてしまうため、風邪をひいても無理をして出勤する場合がある。
「布団に入った時に咳が出るのでなかなか眠れないんだよね。病院は嫌いだから行きたくない。風邪薬を飲んでいるけど全然治らなくて困っているの。どうしたら良いのか本当にわからない」
麻里奈(仮名)は満面の笑みで話していたが時折、深い咳をする姿を見せていた。熱はないとのことだが、体調の回復が見込めないなら早めに医者にかかることを勧めた。
とても口説けるような雰囲気ではなく、健康話に終始する羽目になった。
しかし、体調を崩しているキャバ嬢の中には、気遣う姿勢を見せないタイプもいる。
「本当にだるい。無理して出てきているのにこの店のボーイは本当に嫌だ。早く帰りたくてたまらない。私のことを想うならドリンク入れてよ」
美弦(仮名)は、初っ端から強烈な物言いだった。接客というよりは、どれだけ体調が悪いのか、どれだけ早く帰りたいかを延々を語り続けた。
当然、そのような状態になれば、気分良くキャバクラを楽しめる雰囲気ではなくなってしまう。
体調を崩したキャバ嬢はやはり無理に出勤するべきではないのだ。
(月山皇)