竹山は『直撃LIVE グッディ!』『ノンストップ!』(ともにフジテレビ系)のほか、『白熱ライブビビット』(TBS系)にコメンテーターとしてレギュラー出演している。さらに、ネット番組『カンニング竹山の土曜TheNIGHT』(AbemaTV)にも出演している。この枠はウーマンラッシュアワーの村本大輔がかつて受け持っており、言わば文化人化するお笑い芸人枠とも言えるかもしれない。カンニング竹山は自分の体験や本音をベースとして語るスタイルに定評がある。怒りをにじませることもあり、そこはかつての「キレ芸」を彷彿とさせる。ただ、正論系の意見も多く、竹山が持っていた毒気がかつてより薄れてしまったと見る声もある。本人もその自覚はあるのか、毎年1回のライブ「放送禁止」シリーズを続けている。そこで、コメンテーターと芸人、双方のバランスを保っているのかもしれない。
竹山が関東系の文化人化芸人の代表格ならば、関西系を代表する存在がたむらけんじだろう。複数のワイドショー、情報系番組に出演しており、『探偵! ナイトスクープ』『松本家の休日』(ともに朝日放送系)といった、バラエティの仕事を上回っている。闇営業問題では涙を見せたことも話題となった。ただ、芸人仲間に仮想通貨投資を勧め、大損させるといった問題がなかったことにされている印象も否めない。さらに、実業家としての顔を持つたむらは、政財界にも顔が利き、「将来の政界進出を控えての顔売り期間?」と冷ややかに見る声もある。
テレビへの露出は少ないが、ネット上で「炎上評論家」となりつつあるのが、スマイリーキクチである。ただ、彼の場合は、長年に渡ってインターネット上で誹謗中傷を受けた経験を持ち、『突然、僕は殺人犯にされた』(竹書房)といった著書も上梓している。現在はネット炎上にまつわる講演会活動なども手がけている。そちらの比重が高まるのは仕方なく、世の中の健全化のために必要な仕事でもあろう。それでも、最近は「広くネットが絡む時事ニュース全般」に一言物申すようになっており、「さすがにでしゃばりすぎ?」といった意見も見られる。
もちろん、それぞれに需要があるゆえに、芸人は文化人化するのだろうが、芸人本来の魅力であるネタで、「人を笑わせる」姿を見てみたい思いがあるのも確かである。