県警によると、巡査は指定暴力団道仁会系組長らが関わったとされる、失業者の職業訓練を支援する「緊急人材育成支援事業」を装った詐欺事件の捜査を担当。
同年11月27日、組長らが開講した架空の職業訓練講座の受講生の1人だった久留米市内の女性宅を家宅捜索に加わった。同日、証拠品の確認などのため、女性を任意同行した際、携帯電話の番号を教えて、連絡を取り合い、同30日未明、福岡市内の自宅で女性と一戦交えたという。捜査の結果、女性は立件されなかった。
同日朝、事情聴取を受けた女性が別の警察官に、「(巡査に)もてあそばれた」と話したため、不適切な関係が発覚した。
巡査は「女性が自分に気があると思い込み、一時的な欲求を満たしたいと思った」と、関係を認めている。
県警は信用失墜行為を禁じた服務規程違反と判断したが、「情報漏えいなどはなく、捜査に影響はなかった」として、懲戒処分にはしなかった。警察庁の指針では、処分の公表は懲戒処分を対象としているが、県警は「社会的関心が高い暴力団が関与した事件捜査での不祥事で、信用を大きく失墜する行為」として、公表に踏み切った。
県警の高木正浩首席監察官は「職員の指導教養を徹底し、再発防止に努める」とコメントした。
(蔵元英二)