白鵬は「今の相撲界の制度では、外国人力士は入門できるが、その後(親方などとして相撲協会に)残ることが難しい」と苦しい胸の内を明かしている。
その白鵬(31)が逆転を目指して「トランプ現象」を起こそうとしている。“角界支配”の野望を着々と進めているというのだ。今一度言うが、故・北の湖前理事長からは「モンゴル人のままでは親方にはなれない」と突き放されたこともある白鵬。しかし、所属する宮城野部屋では、すでに内弟子の石浦が先の九州場所で敢闘賞を受賞し、成長ぶりを見せつけた。
「石浦は相撲の名門、鳥取城北高校のエースでした。つまりは元大関・琴光喜の後輩になるわけです。その琴光喜と白鵬は大の仲よし。白鵬は、その琴光喜の長男を弟子にするという口約束までしているほどです」(元力士)
琴光喜の長男は、まだ小学校2年生でありながら、貴乃花巡業部長がひと目見て「将来は横綱」と太鼓判を押すほどの逸材。名古屋場所前の稽古に参加した際、自ら胸を出した白鵬も「体も顔つきもお父さんそっくりだよ。将来は横綱、大関間違いなしだ」とベタ褒めだった。
「琴光喜は、相撲勘や運動能力、どれを取っても優れていた。横綱になれなかった理由は運のなさ。小学校2年生といっても、息子さんは父親のいい面を引き継いでいる。角界のしがらみに巻き込まれなければ、白鵬の言う通り横綱になれるでしょう。白鵬の“口約束”もどうやら本気のようで、10年後に角界の門を叩く有望株に、早々に唾をつけたということです」(同)
さらにこの元力士は、将来を見据えた白鵬周辺についてこう語る。
「実は先頃、宮城野部屋へ移った高島親方(元関脇高望山)は、有望なモンゴル人力士を連れている。春日山部屋が部屋のゴタゴタで閉鎖となり追手風部屋に移った高島親方ですが、弟子が白鵬になついていたため宮城野部屋に移籍したわけです。こう見てくると、白鵬は自身の引退後を考えて有望力士を揃え、部屋を構えた時の態勢を着実に整えているということ。さすがですよ」
しかし、日本への帰化に関しては、父親のジグジドゥ・ムンフバトさんが猛反対しているため、現時点では発言は慎んでいるという。
「ただ、部屋作りというのは相当な時間がかかる。横綱は四股名のままでも5年間協会に残れますが、環境が帰化できる状況になってから始めるのでは、とても間に合わない。そのため、すでに部屋を建設するための土地を銀座で見つけているという話まであります。かつて画策したモンゴル人力士を抱える旧大島部屋との合併は、協会幹部の反対で流れましたが、白鵬は引退後も角界の話題を独占できるような人材とパイプを、着々と確保しつつあります」(スポーツ紙記者)
12月14日、第4子となる女の子が誕生した白鵬。心新たに野望の実現を誓ったに違いない。
いつまでも日本人横綱が誕生しない昨今、親方の必須条件である“年寄名跡”も「日本人に限らない」となる日が来ないとも限らない。それこそトランプ次期大統領ではないが、蓋を開けてみなければわからない、という状況もあり得るのだ。