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怪談作家・呪淋陀も体験した『怪談朗読会』

 去る2月5日の土曜日、高円寺のギャラリー&バー「ノラや」で、開催の怪談文芸朗読会が行われた。
 出演は声優の栗田ひづる。
 演目は、東雅夫氏の毛髪ホラーアンソロジー(角川ホラー文庫『黒髪に恨みは深く』所収)の怪談「実話」加門七海作である。

 加門七海作「実話」のあらすじとは。

 「殺された女生徒の幽霊が窓に出るんですって…」
 友達が語った学校に伝わる怪談。
 だが、主人公の“私”は、その怪談を聞いても幽霊の存在を信じられず笑い飛ばしてしまう。
 「霊を馬鹿にしたから怒っている…謝らないと恐ろしい目に会うよ」と詰め寄るオカルトおたくの不気味なクラスの男子。
 その怪談は、実は友達の作り話だった。幽霊などいない、すべて嘘だと思っていた。
 だが、“私”の心理の変化を通してあり得ないはずの怪異が実体化していく描写が怖ろしい。
 最後に主人公が体験した出来事とは…と、かなり衝撃のどんでん返し。

 読後、何とも後味の悪い怖さの余韻が残る作品。朗読になれば一体どんな味わいがあるのだろう。

 怪談朗読が始まると、それまでの和やかな場の雰囲気が一気に変わる。
 やがて聴衆は物語の世界に引き込まれていく。
 風の音やガラス窓を引っ掻く音。
 突然訪れる不気味な静寂、不安になる間。
 暑さ・寒さ・痛み・吐きけなどの感覚。
 鬼気迫る迫真の演技に手に汗握る興奮。
 約1時間半の休憩なしの怪談朗読は、あっという間に終了した。

 怪談はあやかしを呼ぶといわれる。
 朗読会の最中、寒気や目眩を感じる者もいた。
 終了後はお清めの塩が配られた。

(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ) 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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