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ソフトバンクがイー・アクセスとの連携でより「つながりやすさ」No.1へ

 携帯電話事業でNTTドコモ、auに次ぐ3番手のイメージが強かったソフトバンク(以下、SB)の大逆襲が始まった。

 最近、テレビCMでSBが盛んに「接続率No.1」とうたっているが、これはいったい、どういう意味なのか探ってみた。

 これまで、SBの弱点は「つながりにくい」という点だった。SBでは10年3月時点の解約理由のうち、26%が「電波が悪い」だった。そこで、SBが携帯電話事業での形勢を逆転すべく、取りかかったのが「つながりやすくする」ということだった。

 SBでは12年7月25日、「プラチナバンド」をスタートさせた。プラチナバンド基地局数(今年3月時点)は、約2万局を超えた。この結果、SBでは接続率でライバル2社の上を行き、3月現在、「スマホ(スマートフォン)音声接続率(全国=イプソス株式会社調べ)」が98.4%に、「パケット接続率(統計分析処理:株式会社Agoop」が96.6%にアップし、堂々1位になった。

 従来、携帯電話は電話やメールが中心だったが、スマホではデータ通信が中心で、一日あたり利用率は80%だという。この背景では、パケット接続率を上げることが重要だ。モバイルトラフィック量(携帯電話のネットワーク上の通信量)はこの5年で60倍になっており、特に東京、大阪、名古屋などの都市部での増加が顕著である。スマホ時代の最大の問題は「パケ詰まり」だ。パケ詰まりとは、簡単にいうと、アンテナバーは立っているが、データが流れない状態のことをいう。

 SBではパケ詰まりに効果的な対策として、「小セル化」に取り組んできた。一般的に、一基地局あたりの対象人数を1000人とすると、SBは小セル化で対象を100人になるように目指し、トラフィックの分散を図ってきた。12年度3月現在、ライバル2社の基地局が10万に対し、SBは19万もある。基地局当たりのユーザー数は、NTTドコモが600人、auが350人、SBは150人とされる。

 SBは小セル化への継続的な取り組みとして、AXGP基地局や公衆Wi-Fi基地局を増やす努力を絶やしていない。
 
 そして、さらに3月21日、ダブルLTEをスタートさせた。

 今年1月、SBはイー・モバイルのブランドをもつ通信事業者のイー・アクセス株式会社を子会社化し、後に持分法適用関連会社とした。それにより、SB、イー・アクセス2社のLTEをダブルで活用できるようになったのだ。この結果、どちらか混雑していないネットワークへ接続できるようになり、より「つながりやすく」なることになる。

 また、孫社長は「SBは660日以上重大事故を発生させていない」と胸を張る。そして、「スマホ時代に合ったネットワークの構築を行って来た結果が前述の接続率アップにつながった」と自信をのぞかせた。

 音声接続率ではPhone5での比較においても98.6%と他社の97.1%を1.5%上回り、パケット接続率のPhone5比較においても97.4%でトップ。9地域別で見ると東北以外のエリアでNo.1となっている。

 音声、パケット両面で堂々の接続率No.1となったSB。今までと同じイメージで見るのは軽率のようだ。NTTドコモやauを利用されている方は、真剣にSBへの乗り換えを一考する時期なのかもしれない。

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