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2010年NPBスローガン

 16日、社団法人日本野球機構、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)が、東京ドームで加藤良三コミッショナー、巨人・原辰徳監督らが出席の記者会見を開き、2010年のNPBスローガン『ここに、世界一がある』を発表した。

 昨年、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を連覇した日本代表を誇りにして、「世界一の日本野球を次世代へ、野球を世界へ」という決意を込めてのスローガンだという。原監督が出席したのも、WBCを連覇した日本代表監督であり、7年ぶりに日本一を奪回した巨人監督だからだ。
 が、『ここに、世界一がある』というスローガンは立派だが、国際試合に関する12球団の足並みはそろっていない。奇しくもこの日、開かれた国際試合に関する小委員会でも意見が分かれている。読売新聞が提案している11月の日本代表対大リーグ選抜という4年ぶりの日米野球に関してもそうだ。
 「日本が代表チームでも、大リーグが選抜チームでは、真剣勝負にならない。今までの日米親善野球と変わらない」と真っ向から反対する球団。「個人的には、日米野球は賛成だ。大リーグが提案している、日米クラブチャンピオンチーム同士の『グローバル・ワールドシリーズ』につながるものだから」という球団もある。
 この日米野球のリニューアル復活案に関しては、労組・日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)が反対。開催には3月いっぱいの決定がタイムリミットという制約もあり、見送りになる可能性が大だ。4月5日のプロ野球実行委員会で正式に決定する段取りになる。

 2年連続見送りになる日本、韓国、台湾、中国のクラブチャンピオンチームによるアジアシリーズの代替案、昨年行われた日韓クラブチャンピオンチーム同士による試合の継続に関しても、まだ結論が出ていない。「国際化の火を消すべきでない」という大義名分はあるものの、興行的に収益のあがらない財政的な問題。「アジア同士の国際試合よりも北米との国際試合の方が重要だ。将来のグローバル・ワールドシリーズ実現を考えたら」という意見もある。
 さらには、連覇したWBCに関しても「日本代表チームが、スポンサーとテレビ局のいいところ取りになっては困る」という本音がある。「我々はリーグ戦の価値を高めるためにやっている。賛否両論あったが、クライマックスシリーズもそうだ。それが基本になる。リーグ戦が衰退しないようにしなければならない」と、国際試合のデメリットを危惧する声もある。12球団の足並みの乱れの現実を目の当たりにすると、『ここに、世界一がある』というNPBのスローガンは、気恥ずかしい。

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