映画『南極物語』『海潮音』などの出演で知られる美人女優・荻野目慶子(当時25歳)の住んでいる自宅マンションで40代の男性が首を吊り、死亡した状態で発見されたのだ。
荻野目の自宅で自殺していたのは、当時43歳の映画監督・河合義隆氏であった。若い荻野目の自宅で、中年の映画監督である河合氏が何故死んでいたのかについて、当時の週刊誌から大きく注目され、様々な憶測を呼んだ。
その後、荻野目の証言から、河合氏と荻野目は5年に渡る不倫関係にあったことが明らかとなり、河合氏が自死を選んだ理由は、荻野目から別れ話を切り出されたことに関し、ショックを受けたためということがわかった。
河合氏は、元はフジテレビディレクターだったが、その後若くして独立して制作プロダクションを設立。そして、フリーの立場でTBSのドラマ 『幕末青春グラフィティ 福沢諭吉』(1985年)の演出を担当し、ここで当時20歳の荻野目と知り合った。
河合氏には当時、妻と子供がいたが、不倫関係は5年も続き、最終的には荻野目の自宅に河合が転がり込むことになり、別居状態が続いていた。
荻野目も最初は河合との関係を楽しんでいたが、不倫関係ということもあり、別れ話を切り出したところ、河合氏は「別れるぐらいなら死にたい」と泣きながら懇願されたという。
そして、河合氏は荻野目の留守中、台所とリビングの間のドアにマフラーをかけて首を吊り死亡。河合氏の変わり果てた姿を最初に発見したのは荻野目であった。
荻野目は本事件に関してショックを受け、記者会見には出席できず、代わりに妹の荻野目洋子が会見を行うなどした。
自殺事件の後、荻野目はしばらく芸能活動を休止。そのまま引退も噂されたが、2000年頃から演技派女優として2時間ドラマを始め、数多くの作品に出演するようになり、2012年には一般男性と結婚。現在は主婦業の傍ら、女優活動も続けている。