逮捕容疑は、今年1月21日、妻に無断で離婚届を書いて偽造し、伊那市役所に提出。さらに笠井容疑者の戸籍がある長野市役所の戸籍データに誤った記録をさせたとしている。
交際していた不倫相手の女性と結婚するため、妻との離婚届を偽造して提出し、交際女性との婚姻届を出したため、1カ月間、重婚になっていたとして、長野・伊那消防組合は7月4日、笠井容疑者を同日付で懲戒免職処分にした。同組合は同日、笠井容疑者を重婚や有印私文書偽造などの容疑で伊那署に刑事告発していた。
同消防組合によると、笠井容疑者は06年に結婚。10年から別の既婚女性との交際が始まり、いったん別れたものの、11年に、相手の女性が離婚すると再び交際を始めた。
笠井容疑者は、妻が離婚に応じなかったため、今年1月21日、妻に無断で離婚届を伊那市役所に提出。数日後、離婚が妻の知るところとなり、離婚無効の調停を家裁伊那支部に申し立て、4月10日に離婚無効の審判が確定した。
ところが、笠井容疑者は調停期間中の同5日に、交際相手との婚姻届を同市役所に提出したため、交際相手との離婚が成立する5月10日までの1カ月間、笠井容疑者には2人の妻が存在する重婚状態になっていた。
笠井容疑者は「とんでもないことをした。公務員として、あるまじき行為だった」と話しているという。
同消防組合消防本部の伊藤清消防長は「市民の信頼を著しく損ない、心からお詫び申し上げたい」と陳謝した。同消防組合は同日付で、消防長と同消防署長を厳重注意とした。
笠井容疑者と元の妻は現在、離婚調停中という。
(蔵元英二)