太田光は冒頭から「死神みたいだったからあれだけどさ」とちらっと毒気のあるボケをはさむと、田中裕二も「見た感じ。(樹木)希林さんが亡くなったあとの様子は、年取られたなっていうのはあったけど」と応じた。
太田は「希林さんが最後の望みだったのかなと。突っ張っていて、彼女より先に死ねないと思っていて、そのつっかえ棒がぱっと取れたのかなと思ったけど、亡くなる前の様子を聞いていたら、最後はオムライス食べていたって。生きる気まんまんだったんだなって」と故人を振り返った。「だから、もういいやと『俺はあっちへいっちゃえ』と思ったのではなく、まだまだ生きようとしていたのかな」と最後をおもんぱかった。
さらに、太田は「みんな、あの人はすごかったっていうけど、誰に聞いても何がすごかったのかわからない」と話し、笑いを誘っていた。太田は、内田さんに同じくロックミュージシャンであるサザンオールスターズの桑田佳祐にも訊ねたようで、「桑田さんもわかんないんだよって言うんだよ。何もやっていないけどすごいんです」と話した。同業者の桑田ですら、内田さんのすごさは「よくわからない」のだから、おそらく誰にもわからないのかもしれない。それでも太田は「生き方とかむちゃくちゃだしね。今『バカッター』とかやってるじゃない。あそこまでいかなきゃ。あれがロッケンロール。生涯バカッター」といつもの太田節で、故人を悼んだ。
これには、ネット上は「確かにバカやるならとことんだよな」「確かに内田裕也のすごさは誰にもわからなさそう」といった声が聞かれた。このラジオ番組では、時事ネタに言及することも多く、漫画家のさくらももこさんや、作家の橋本治さんを追悼してきた。この墓碑銘に内田裕也さんが加わってしまったのは切ないものだろう。