「戦隊ヒーローもの」「プリキュアシリーズ」が2月に始まるのには、れっきとした理由がある。まず通常のテレビ番組のように「3月終わり、4月スタート」となってしまうと、視聴者である子どもの学年をまたいでしまう。そのため番組サイドは、「もう○年生になったから、こうした番組は卒業」といった行動を起こさせないよう考慮しているのだ。2月に始まれば、年度をまたいでも見てくれる可能性が高まる。
さらに「2月始まり」にはスポンサー側の事情もある。おもちゃメーカーや文房具メーカーは番組の始まりに合わせてグッズを制作する。番組が2月に始まれば、ちょうど番組の知名度が上がってくる3月下旬の新学期シーズンに文房具を売り出すことができる。これが4月始まりとなると、同時スタートでグッズを売り出すのは難しい。やはり人気が定着するまでにはある程度のタイムラグが必要なのだ。
メーカーにとっての書き入れ時と言えば、ゴールデンウイーク、夏休み、クリスマスだろう。物語の進行に合わせて、ゴールデンウイークにはおもちゃを売り出し、夏休みには浮き輪やレジャーシートなどのお出かけグッズを発売する。そしてクライマックスとして、クリスマスのプレゼント用にグッズを用意する流れができているのだ。
こうして見ると、2月始まりは理にかなったシステムではあろう。よくできていると感心させられる。