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芸能斜め斬り 相撲協会の閉鎖的体質 マスコミにも影響大

 “リンチ殺人事件”が起きたのは6月27日だった。亡くなったのは、大相撲の時津風部屋の時太山(本名=斉藤俊)。まだ17歳の子供だ。
 その時太山が、稽古という名前を借りた悲惨なリンチで心臓が止まってから2時間後、父親の斉藤雅人さんに連絡を入れた時津風親方は、「すべて任せてくれ」と言いながら火葬をしてから骨を親元に返すという非常識な連絡を入れている。明らかに証拠隠滅である。そして「警察の捜査を待つだけ」というコメントしか出せない北の湖理事長のお粗末ぶりにも言葉が出ない。
 それにしても相撲協会の前近代的な体質には、あきれ返るばかりだ。そもそも相撲界の運営方法は、貧しい時代の遺物ともいえる。日本人の家庭が貧しかった時代、体が大きな男の子は、食い扶持を減らすために学校に行かずに相撲部屋に預けられた。相撲界で大成できなくても、ちゃんこ料理を教えるなどして、社会人として旅立てるように、実の親以上に子供に接してきた。
 だが今ではこの体制は完全に崩れている。もはや食い扶持を求めて相撲部屋に入ってくる子供などいない。実際に今年7月の新弟子検査は応募者がゼロのために中止になっている。
 その相撲界を統括する日本相撲協会の古い体質は、マスコミの世界にも現れている。まず先般相撲協会から記者章を取り上げられた元NHKの杉山アナに見るように、都合の悪い記事を書く記者を排斥する体質がある。断っておくが相撲記者会ほど保守的で排他的は記者会は類を見ない。その記者会が相撲協会に対して抗議をしたほどだから、相撲協会の古い体質とマスコミへの圧力は計り知れない。

 それはテレビに対して顕著に現れている。相撲協会のビデオは相撲協会が撮影しているが、少しでも批判的なマスコミには、ビデオを貸すことを拒否して圧力をかけてくる。テレビ局は、スポーツニュースで流すことさえできない。
 しかし相撲協会の最大のスポンサーはNHKであることを忘れてはいけない。何しろ年間の放送権料が30億円といわれている。だからこそエビジョンイルといわれる海老沢勝二元NHK会長が横綱審議委員長に納まっている。NHKと相撲協会の利権で成立している世界と見る相撲関係者もいるほどだ。

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