開催日の競馬場の記者席、お目当ての馬が早々と馬群に消えてしまったのか、ゴール手前1Fを待たずして「バカヤロー」と嘆いていた隣席の先輩記者がゴール後、少しして、もぞもぞと馬券をチェックしながら、小さく「よっしゃ!」とガッツポーズ。
「???」。一瞬、何が起きたのか理解できなかった小生に、先輩記者がドヤ顔で「こういう馬券の買い方もあるんだぞ」と自慢げにレクチャーしてくれたのを今でもよく覚えている。
その買い方とは、不動の本命馬がいるレースが対象。その本命馬を軸に、シンガリから数えて2、3頭ほどの超人気薄をヒモにして買っておけというものだ。根拠は以下の通りだ。
勝ちにこだわる対抗馬、伏兵馬が大本命を負かしにいった結果、そろって返り討ちにあうケースは決して珍しくない。その間隙を突いて、のほほ〜んと自分の競馬に徹した超人気薄が、あれまぁビックリ2着をゲット! てな具合である。
ちなみに、この先輩記者。業界では結構、著名な方なのだが、紙面に掲載されているご自身の予想よりも、前述を含めたいくつかの“別腹”馬券で当たっている姿を多く目撃しているのは、小生の錯覚か(笑)。
とまあ、前振りは長くなってしまったが、当欄のコンセプトはこの“別腹”。自分の予想を主食とするなら、当欄はデザート感覚で。予算は、あくまで“別腹”なので1日3000円。近場の温泉宿に1泊できるぐらいの配当を目指して1日2〜3鞍のコロガシで勝負していきたい。
【霞ヶ浦特別】
(1)タイユール
出遅れて内に包まれ通しだった前走・花背特別はまったく競馬にならなかった。スムーズに立ち回れれば、昇級戦で小差4着した前々走の末脚が黙っていない。
(4)タガノクレイオス
久々の前走は成長分を見込んでも太め残りだった。それでも掲示板を死守したあたり、現級でのメドは十分立った。鞍上に戸崎を配し、前進は必至だ。
(10)リッカルド
勝ち味に遅い面はあるが、1600万でも好走していた底力はトップクラス。現級以下の中山では、複勝圏内を外したことは皆無。2か月半ぶりも仕上がりは上々だ。
(13)シャドウチェイサー
ダートに路線を変更し、3戦2勝と頭角を表してきた。久々の前走はゴール手前で息切れしたが、叩かれた今回は行き足&粘りを増すこと間違いなし。
≪馬連≫(1)(4)(10)(13)のBOXに各500円
【チャンピオンズC】
(7)コパノリッキー
発馬に難があったのは過去の話。というよりは、抜群のスタートセンスを持つ武豊に手替わりしてからは、ウイークポイントをジョッキーが完全にカバーにしている。相手関係の違いこそあれ、同じ中京ダ1800メートルの東海Sが58キロを背負って4馬身差の圧勝。その当時より、馬体もより一層締まり、今季最高の状態に仕上がっている。
(12)クリノスターオー
捨てる神あれば拾う神あり。幸がホッコータルマエに騎乗することで、宙に浮いていた鞍上にこれ以上ない強力な助っ人・ボウマンが就いた。左回りに勝ち星はないが、成長途上の3歳時と蹄を痛めていた昨年のここの2戦のみ。まだダメと決めつけるのは早い。GIでも通用する時計は持っているだけに、大駆けのチャンスはある。
≪ワイド≫(7)(12)に全額!
※出走表などのデータは、必ず公式発表のものと照合し確認して下さい。
【プロフィール】
元スポーツ紙記者、中央競馬担当。記者時代は北海道シリーズを得意とし、函館記念4年連続万馬券的中の偉業も。現在も厩舎関係者と親交があり、フリーとして執筆活動を行っている。