大相撲秋場所(9月15日〜29日=東京・両国国技館)は横綱・白鵬(28=宮城野)が、14勝1敗で2度目の4連覇を達成し、通算27度目の優勝を飾った。歴代3位の優勝回数を更新した白鵬は、歴代2位の千代の富士(九重親方)の31回に、あと4回と迫った。
秋場所も名古屋場所(7月)と同様の独走状態。ライバルの横綱・日馬富士(29=伊勢ヶ濱)は4日目で早々に2敗、協会が次期横綱候補として期待する稀勢の里(27=鳴戸)は9日目に2敗を喫し、優勝戦線から脱落。白鵬は10日目に関脇・豪栄道に不覚を喫したが、14日目にわずかな可能性を残していた稀勢の里との直接対決を制し、優勝を決めた。
名古屋場所は13日目に、白鵬の優勝が決まっており、2場所連続で千秋楽より前に優勝が決まるドッチラケの場所となった。
その責任が日馬富士、大関陣にあるのはいうまでもない。本来なら、毎場所優勝争いに加わるべき日馬富士は、2場所連続で辛うじて2ケタの10勝を挙げるのがやっと。春場所(3月・大阪)は9勝、夏場所(5月・両国)は11勝に終わっており、4場所連続で不本意な成績となった。
綱獲りが期待される稀勢の里は2場所連続の11勝。これで、9場所連続で2ケタ勝利を挙げており、他の大関陣に比べれば、頑張ってはいるが、協会やファンの期待の大きさを思うと、“ここ一番”の勝負弱さが際立っている。
他の大関陣は琴奨菊(29=佐渡ヶ嶽)が、なんとか10勝。鶴竜(28=井筒)に至っては9勝止まり。琴欧洲(30=佐渡ヶ嶽)は4連勝で好スタートを切ったものの、左大腿二頭筋挫傷のため、7日目から休場。九州場所(11月・福岡)では7度目のカド番となる。
日馬富士が初場所(1月・両国)を全勝で制した頃は、白鵬にかげりも見え、新旧交代の予感もあったが、当の日馬富士が、その後低迷。稀勢の里もなかなか壁を破れないとあっては、当分、白鵬の天下が続きそうな気配だ。
(落合一郎)