県警の調べでは、昨年5月13日頃、従業員が県外から出張に訪れていた宿泊客の55歳男性に、「この旅館では女性は抱けないの?」と聞かれ、40代女性を紹介し売春させた疑いがあるという。
加賀温泉郷といえば“関西の奥座敷”とも呼ばれ、言わずと知れたピンク地帯としても有名だ。
「芦原、山中、山代、片山津、そして粟津と、加賀温泉郷は男性天国と昔から言われています。いずれも約1300年前から開湯し、男性湯治客向けのピンクサービスが盛んでした」(地元記者)
5つの温泉地で計100軒あまりの宿泊施設があるが、その中に女性が呼べる旅館があるのは半ば常識となっている。
「表向きはそんなことはしませんという顔をしているが、仲居に尋ねれば呼んでくれる。また、予めタクシーの運転手に言えば旅館に話をつけてくれます。夜ともなれば街に多くの客引きが現れるのですが、紹介してもらってもこの地域は危険が少ない。相場は通常1万5000円で、朝までだと3万円ほどになります」(風俗ライター)
昨年は片山津のソープ店が風営法違反で摘発され営業停止処分を受けた際、旅館関係者や温泉街の飲食店などから「摘発はそこそこに」という陳情が市に出された。お色気サービスがなくなると訪れる客が減るというわけだ。
「粟津温泉の件もしかりです。従業員は罪の意識はないでしょうし、紹介される女性も、それが立派な収入になっている。摘発に関しては犯罪抑止の面もあるのでしょうが、携わる地元民は今回も困惑しているでしょう」(同)
再び波紋を呼びそうだ。