夏前から、国産、輸入もので共に、ウナギの仕入れ価格高騰のニュースが流れている。消費者が口する蒲焼や、うな重の価格も値上がり傾向にあるという。しかし、日照時間が長い夏は、残業無しで会社から出れば、明るいうちに家路につくことができ、商店街の路地裏から、たれをつけたウナギを炭火で焼くにおいが漂ってくることもある。この時期は、ウナギを食べたい。
13日、都内のデパート・日本橋高島屋で「夏のスタミナ健康フェア」(21日まで、地下1階食料品フロア)が始まった。ウナギの蒲焼はもちろん、ウナギを使った総菜や土用餅などが、並べられている。
メインのウナギは、重箱に入ったお弁当や、蒲焼・白焼のパックなど種類が豊富で、なかには、500円でおつりがくる値段の「うなぎおこわ」もある。また、日本橋という土地柄のため、江戸の漁師の食卓からできた「深川めし」も人気。炊き込みご飯の上に、穴子、アサリ、ショウガ、煮物などが載せられた深川めし弁当も手ごろな値段で提供されている。取れたてのにんにくは、スライスをめん汁で食べてもおいしいし、みそをつけて食べるのもオツという。保存食から生まれた柿の葉ずし(サバ、サケ、アジ、タイ)や、穴子の棒ずしもあり、夏のこの時期に食欲をそそる食べものが目白押しだ。
また、同じく都内の小田急百貨店新宿店地下の食料品売り場でも、13日に、「夏のスタミナ特集」(26日まで)が始まった。メインの売り場には、ステーキ弁当、焼き肉弁当、手羽先、ホルモン、チヂミ、焼き鳥、肉シュウマイなどが所狭しと並べられ、人だかりができていた。もちろん、ウナギも種類豊富。
フェアなどで並んでいるウナギは、外で食べるよりも安く感じることが多いが、仕入れ値上昇のことを尋ねると、店員から苦笑が返ってくることも多い。ただ、各事情はともあれ、暑さを乗り切るためにも、この時期は、精のつくものを食べたい。(竹内みちまろ)