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嵐の中で豪華客船が炎上した時、船長は死んでいた…客船モロ・キャッスルの謎「3」

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画像はイメージです。

 いまから80年前の1934年9月、ハバナ航路の豪華客船モロ・キャッスルが炎上し、乗客乗員138名が死亡する大惨事となった。被害を拡大した要因には、火のまわりが早かった事と乗員の怠慢がある。火のまわりが早かったことについては、強風によって炎が煽られたこともあり、不可抗力と見る向きも少なくなかった。乗員の怠慢とは、初期消火の失敗と乗客の避難誘導も行わなかったことで、さらに多くの乗組員が乗客を見捨てて退船命令よりも先に離船するなど、モラルが完全に崩壊していたことは、後の裁判でも大きな問題となった。

 そして、火のまわりが早かったことと乗員の怠慢とは無関係ではない、むしろ大いに関係していると考えらる人々もいた。つまり、モロ・キャッスルは乗員に放火されたのかもしれないというのだ。なぜなら、モロ・キャッスルの船主は収益確保するため過密な運行スケジュールを要求し、船員にとっては非常にブラックな職場となっていたのである。また、以前の航海では濡れたデッキで乗客が転倒、負傷し、船会社へ損害賠償を求めるという具合で、運行状況は非常にずさんだった。

 損害賠償騒ぎなどもあり、船長もストレスから精神を弱らせていて、デッキから消防用ホースの撤去を命じるなど、衝動的な部分が強く現れるようになっていた。そして、出港後は自室へ引きこもるようになり、船の運行は部下に任せつつ、彼等への指示も電話で出すようになっていた。亡くなる前には、船員が自分を殺そうとしているといった被害妄想を募らせるほど、精神状態が悪化していたとされる。そして、火災発生の数時間前、指示を仰ごうとした航海士が、浴槽で船長の死体を発見したのである。

 船長の急死を受け、航海士が船長代理を務めることとなったが、船内の混乱は避けられなかった。そのような状態で、モロ・キャッスルは運命の夜を迎えたのである。

 船長の急死から数時間後に発生した火災は、果たして偶然なのだろうか? 船長は殺されると周囲に漏らしていたが、それは本当に単なる被害妄想だったのか? そして、悲劇から数年後、真相を知る人物が現れた。(続く)

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