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西の豊洲!? 鳥取赤十字病院が火消しに躍起の“ヒ素汚染土壌”

 “西の豊洲”は言い過ぎだろうか――鳥取県内の中核病院の一つ『鳥取赤十字病院』に土壌汚染問題が発覚した。ただし、豊洲市場との大きな違いは、豊洲が「領内処理」(当該敷地内での処理)をしたのに対し、同病院の場合は初期の掘削で汚染残土が予想外に出たため、あろうことか鳥取港内に山積みしていることだ。そこに雨が降り続けば汚染水が海に流れ出る懸念がある。その量は、2万立方メートルにも及ぶのだ。
 現在、同病院は病棟の老朽化に伴い、2019年3月末日の完成を目指して増改築工事を行っている。同工事から出た環境汚染物質はヒ素だ。基本的に鳥取地方の土壌は特殊で、自然由来のヒ素が他の地方より多く含まれているという。

 こうしたことから港の残土の山を見た市民から「土壌検査をしたのか」という問い合わせが入った。そこで昨年4月に「3点掘り」という手法で日赤指定の環境業者に計量させたところ、基準値の22〜29倍のヒ素が検出されたのである。市民は内幕をこう説明する。
 「県土整備部長による『公文書開示決定通知書』の計量の結果欄には、3カ所それぞれ基準値の22〜29倍のヒ素の数値が示されています。それなのに日赤は、この数値は『あくまで自然由来』として、火消しに躍起になっているのです」

 果たして、日赤側はどう答えるか。
 「ヒ素の含有量は“定量下限数値”を見て判断しています。環境基準値の2.9倍の値にすぎず、汚染水が海に流れ出る懸念については県と市、港湾事務所の3つの機関から漁業に影響はないとのお墨付きを得ています」(建設推進室長)

 科学的に示された数値であっても、受け止め方で判断は分かれるということか。とはいえ、今そこにある危機は、放置された膨大な汚染土壌の量だ。取材をする中で、これらの運搬を請け負うゼネコン孫請けの元社員から「あの会社は不法投棄の常習犯」との“衝撃的”な証言があった。それが本当ならば、汚染の拡散が一気に危惧される事態だ。
 行政のきちんとしたチェックを期待するしかない。

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