そんなこがけんが、2019年4月29日(月・祝)に、渋谷∞ホールで単独ライブを開催する。多彩なこがけんの魅力を体感できる時間になるという。こがけんのルーツや、ライブにかける思いについて聞いた。
――R-1ぐらんぷりの決勝に進出後、お仕事の状況に変化はありましたか?
こがけんさん(以下、こがけん):出場前と比べると10倍くらいに増えました。とはいっても、これまでが少なすぎたんですけれども。
――R-1でのネタ「マジカルマイク」や配信されている「死亡フラグの唄」、映画ネタの「オーマイガー」など、英語力と歌唱力が非常に高いですね。特に歌はうますぎて、笑うどころか聴き入ってしまいました。
こがけん:映画も歌も叔父、そして姉の影響を色濃く受けているんです。僕も自然と映画や洋楽に親しむようになりました。
――映画好きの印象が強いこがけんさんですが、お笑いの世界に入ったのはどういったきっかけだったのでしょうか。
こがけん:就活が嫌だったからです!
子どもの頃はマンガ家になりたくて、その後は音楽の世界に憧れて。軽音楽部でコピーバンドを組んで歌っていました。
お笑いの世界に入るきっかけは、知人がお笑いでデビューするときに前座を務めたことです。僕は本格的に続けるつもりはなかったんですが、そうこうしているうちに就活時期に入りまして、本腰を入れるつもりだった相方と活動を開始しました。
――映画ネタを始めたのは、ピン芸人になってからですか?
こがけん:いや、コンビを組んでいた頃からやっていました。「ジブリの女の子が怒ったときの真似」とか。こう、後ろから髪の毛をふわ〜っと持ち上げてもらうものなんですが。
「オーマイガー」もですね。「ジングルベル」の替え歌バージョンがお子さんにウケたという報告をいただいています。歌詞をこっちで覚えちゃったんだけど、とか。
――ただ、コンビを解消された後、板前の道に進まれたんですよね。
こがけん:不安になっちゃったんですよね。手に職つけなきゃ!と。料理も好きで、実家は居酒屋。ただ、結局また元の相方とコンビを組み直してお笑いに戻ってくるんですが。2度目のコンビ解消のときに、このままピン芸人でやっていこうと思っていました。
――現在は、映画ネタに力を入れているんですか?
こがけん:日本だけじゃなくて世界に。映画により視野が広がる体験を、いろんな人にしてもらいたいなあと思っているんです。
「こがけんシネマクラブ」というイベントでは、映画に出てくる音楽や食事など、いろいろな方向から映画に触れられる内容を企画しています。現地に足を運んでもらいたいなという気持ちが強いんです。
僕らはお笑い界で「第7世代」と呼ばれる世代。この世代のことを、同期と「お笑い界のロスジェネだよな」と話すことがあるんです。TVにバンバン出る有名人層ではないし、かといってお笑いライブにお客さんがたくさん集まるのは、もっと下の若手層なので。お笑いライブに通う子の多くが若い女の子っていうのも理由なんでしょうけれど…。
――R-1ぐらんぷりを終えて、今の抱負、やりたいことは何でしょう。
こがけん:僕、トム・クルーズが好きで。トム・クルーズって年々、体を張る度合いが増えていく稀有な俳優なんですよね。どの映画でも、めちゃくちゃ長い時間走っている。トム・クルーズの走っているシーンを実際に「長さ」として体感できるネタをやりたいなと思っています。
あと、やりたいのが「ボヘミアン・ラプソディショー」。これは、以前「ザ・グレイテストショーマンショー」が好評だったからなんですが。吉本の芸人が本当に歌って踊るショーなんですが、想像以上に盛り上がったんです。だから、ボヘミアン・ラプソディでもやりたいなと。
――やはり映画が中心にあるんですね。2019年4月29日(月・祝)には、単独ライブを開催されますが、こちらの内容も映画中心なんでしょうか。
こがけん:いや、このイベントは「こがけん」を丸ごと楽しんでもらえる時間にしたいと思っています。僕を知ってくれた人って、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」での映画ネタと、R-1ぐらんぷりなどでの歌ネタとに分けられるんです。その両方をかけ合わせて、化学反応を楽しめる時間になればいいなと。
ただですねえ…これ、本当にミスチョイスだったんですが、この日って思いきり連休の中日なんですよ。しかも、時間が21時からと遅め。さらに、以前やらせてもらった単独ライブの会場より3倍の規模なんです。
――3倍!
こがけん:スタッフが「R-1のあとだからいけるでしょう!」と強気で、僕もその勢いに乗っちゃって。でも、よくよく考えてみると連休の中日の夜。ファンの方からも、「その日は東京にいません…!」「子どもがファンですが、その時間は無理です!」とか言われてしまって。ちょっと、もう本当、チケット裁けるのか…!?とひやひやしています。
「グッズとか作らないんですか?」とも言っていただいていて、僕も本当は作りたいんですが、まずはとにかく集客なので…。今の状況では「作りましょう!」とは言い出せないな、と(苦笑)。
でも、どこにも出かける予定がないゴールデンウィーク難民って絶対いると思うんですよ。その受け入れ先にこがけんライブ、どうでしょうか。懐深くお待ちしておりますので。
――Twitterアカウントでは、手売りもされていると拝見しました。
こがけん:本当に来てほしいので…!本当、このミッションは「ミッション:インポッシブル」(トムクルーズ主演の映画シリーズ)だなと。連休をなめていたな、と。
当日は、ライブだからこそおもしろいネタも用意しています。VTRで出演してくれる芸人さんもいるので、ぜひお楽しみに。来てくれないと、「オーマイガー!」。
――トムクルーズになって、ミッションを完遂してください。本日はありがとうございました。
(インタビュー終わり)
単独ライブのポスターのイラストを手がけたのも、こがけん本人なのだという。写真撮影時も映画の話題は尽きず、「このまま3時間話しましょうか」というほどの熱量だった。ライブ感を楽しめるイベントは4月29日(月・祝)。GW難民もGWに東京で観光する人も、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
詳しくはよしもと∞ホールホームページをご確認ください。
http://www.yoshimoto.co.jp/mugendai/
ライター:卯岡若菜