《手順1》どこの自治体に寄付をするかを決めよう。
寄付金の使われ方を重視するか、謝礼の特産品で選ぶか。情報を集めるなら、書店にふるさと納税を紹介したムック本がたくさん並んでいる。インターネットのふるさと納税ポータルサイトもいい。各自治体の特徴が網羅されている。
《手順2》寄付をする自治体が決まったら申し込む。
ほとんどの自治体がネットのホームページに寄付の申請方法を親切丁寧に載せている。説明に従って手続きを進めていこう。
一般的には、ホームページ上にふるさと納税申し込みフォームがある。氏名、住所、メールアドレス、寄付金額、希望の特産品やお金の使い道、納付方法などを選んでいく。
ネットで送信してもいいし、申込書をダウンロードしてFAXで送信、あるいは直接電話をしてもいい。
《手順3》寄付金を振り込む。
寄付金の送り方はクレジットカード決済、納付書を金融機関の窓口に持参して納付、自治体の窓口に直接持参する−−と、いろいろある。送金の手数料は本人負担。自治体が指定する金融機関の場合やクレジットカード決済のときは手数料は掛からない。
《手順4》受領書、お礼状、謝礼品を受け取る。
自治体が入金を確認した後、おおむね1週間から1カ月ほどで受領書やお礼状が届くはずだ。現在の制度では、この受領書で翌年に確定申告をしなければいけなかった。これが、2015年度(平成27年度)税制改正が成立すれば簡素化されるのだ。申し込みの際に、自分では確定申告をしない旨を自治体に申告する。その後、各自治体が納税の関係先に受領書を送付してくれる。確定申告の手間を思って二の足を踏んでいた人もこれでOK。
注意しなければいけないのは、謝礼品をいつ受け取るかだ。こんな失敗例があったという。
「謝礼品に季節の果物を頼んだんです。『発送時期は6月から7月。不在期間は事前に連絡を』と、ホームページにもしっかりと書いてありました。でも、それを忘れて、1週間の海外旅行に行ってしまったんです。帰ってきたときには、すっかり色が変わり、腐る寸前…。泣けてきました」(埼玉県在住の主婦・Mさん)
旬のもの、生ものは発送時期に要注意だ。
★申し込み法と手続きは?
Q1:ふるさと納税ができるのは1回だけ?
A:前述したように、ふるさと納税は寄付行為。回数に制限はない。だが、'15年度の税制改正によって確定申告の手間を省けるのは5団体まで。それ以上の場合は確定申告が必要だ。
また、自治体によっては謝礼品の送付は年に1回としていたり、期間を区切っているところもある。注意が必要だ。
Q2:ふるさと納税ができる金額はいくらまで?
A:あくまでも目安だが、現状の制度では年収300万円の独身サラリーマンの場合は、およそ1万6000円が限度額。これを超えて寄付をすると自己負担額が最少額の2000円から増えていく。数回に分けてふるさと納税をする場合も、合計で計算される。'15年度の制度になると、この寄付限度額がおよそ2倍の3万2000円になるのだ。
Q3:いつ申し込めばいい?
A:基本的には年度内ならいつでもいい。だが人気の特産品などは品切れになることも。季節限定の特産品なども申込期間が設けられているので確認が必要だ。
何かと手続きが面倒と思っていた人も少なくないと思うが、思いのほか簡単なことがおわかりになったと思う。今からでも決して遅いことはない。このおいしい制度を活用しよう!