まず、モデルとなったヒロインの夫・安藤百福氏、実は“台湾人”だ。日本が統治していた時代の台湾に生まれ、元の名前は呉百福。日本国籍を正式に取得したのはインスタントラーメンのビジネスが軌道に乗った後だった。しかし同作で萬平は25歳の時に大阪に出てきた日本人として描かれている。
また第1週で、萬平は福子と初々しい出会いを果たす。実直な男性とのイメージがある萬平だが、モデルの百福氏は台湾に2人の妻を持ち、子供と養子がいた。ドラマ内では夫妻の息子・源が妻のお腹にいる時も何かと気を遣い、“いい旦那さん”だった萬平だったが、これには大きなギャップがあった。
また今後描かれるであろう最大の発明・インスタントラーメン。これも台湾にもともとあった、油で揚げたたまご麺“意麺”を参考にしたと言われている。このことから台湾が発祥なのでは?という指摘もある。
一方で意外にも史実に忠実なのが、ドラマで現在、まさに新規事業として開発している「ダネイホン」。これは商品名こそ違うものの、牛や豚の骨からエキスを抽出し、パンに塗って食べるペースト状の栄養食品「ビセイクル」として世に出ている。
また、放送第1週では福子の姉・咲(内田有紀)に求婚する牧善之介(浜野謙太)が白馬に乗って登場するシーンがあった。実はこれ、本当にあったエピソード。仁子さんの姉は周囲から評判の美人だったとのこと。制作統括の真鍋斎氏も「実話」だと明かしていた。
多くの人を魅了している『まんぷく』。いいドラマを作るためには多少の脚色も必要なのかもしれない。