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「老化現象」と「脳の乾燥」のただならぬ“関係”(2)

 140億個ともいわれる脳神経細胞は、20歳代をピークに毎日10万個単位で減っている。この自然に起きる老化に加えて、乾燥によって脳が萎縮してしまうというのだから恐ろしい。いったい“体が乾燥する”とはどんなことなのだろうか。
 「私たちの体の中の細胞・組織・臓器などは、水分と体熱で動いている。ちなみに体熱は36.5度以上の体温で動いているので、体温が低かったり、ある細胞・組織・臓器の周囲が冷えていれば、細胞は水分を吸い上げる力が低下していることになる。たとえその時に水分が胃腸に吸収されていても、または全身の細胞に血液とともに運ばれていたとしても、細胞内に水分は吸収されない。皮下の細胞と細胞の間に水分がたまってしまい『細胞外液』となって、これがむくみとなる」(石原院長)

 体に水分が正しく取り入れられれば、細胞はみずみずしい健康な状態になる。脳が乾燥するというのは、脳細胞に血流が十分回っていないことになる。
 脳の細胞の乾燥を防ぐためには、まず運動をすることだ。
 「筋肉運動は、脳の中の記憶を司る中枢器官である海馬の血流が促進され、脳の老化・ボケの予防になる」(石原院長)

 齢を取ると「下半身から老いる」とはよく言われる。お尻の肉が落ちて、貧相に見える人が多くなるが、それは筋肉量が減るからだ。
 人間の体の筋肉は、下半身に集中している。筋肉には栄養や酸素を運ぶ毛細血管が網の目のように張り巡らされている。それが運動をすることにより、毛細血管の働きを活発にする。そして、血流が促され体温が上がる。

 運動のなかでも、無理なく続けられるのがウオーキング。下半身を中心にした筋肉を使うので、血流がよくなる。
 また、80歳まで『放浪記』の舞台をこなしていた女優の森光子さんは、健康の秘訣を聞かれた際、「毎日スクワット運動をすること」と答えていた。そのおかげで台詞を覚え、デングリ返りまでして、いつまでも若々しさを披露してくれたわけだ。
 スクワット運動は、簡単な動きからできている。やり方は簡単。
(1)肩幅より少し広めに足を開き、両手を組んで頭の後ろに回す。
(2)息を吸いながらしゃがむ。
(3)息を吐きながら立ち上がる。胸を前に押し出し、お尻を後ろに突き出すようにする。
 これを5回から10回程度繰り返す。下半身の血行が良くなるため、脳の刺激にもつながる。それでも運動は苦手という人は、入浴、サウナなどで体を温めて、血流を良くする方法も有効だ。

 体が温まると血流もよくなり、脳の乾燥も防ぐことができるが、運動とともに必要なのは食べ物の上手な摂り方。体を温める食物は老化の予防にもなる。勧めたいのは次の通り。
(1)北方産の食べもの(にんじん、れんこん、ゴボウ、山芋など)
(2)赤、黒、だいだい、黄色などの暖色の食品(色の濃いものは体を温める)
(3)塩分のきいたもの(ナトリウムを含んだ漬け物や梅干など)
(4)硬い物(チーズ、せんべい、魚介類など)
(5)動物性の食べ物(肉類、卵)
(6)ヌルヌル、ネバネバ食品(山芋、ナメコ、納豆、オクラなど)
(7)ビールより赤ワイン、紹興酒、日本酒など。
 もちろん、摂りすぎは厳禁。また、食事のときはよく噛むこと。これも脳の刺激になることを覚えておこう。

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