(1)北朝鮮の完全に検証された非核化に協力すること。
(2)日米韓共助・日韓関係を改善すること。
(3)米韓同盟強化策を協議。
「米国からの厳しい『完全に検証された非核化(FFVD)』について、北朝鮮が曖昧な態度に終始しているのは、文在寅大統領が北朝鮮に誤解を与えるようなメッセージばかりを送っているからだ、と米国は怒っているのです。ベトナムでの2回目の米朝首脳会談で、文氏と正恩氏の2人はそろって『調印確実』と見ていました。このことが、文氏が正恩氏に誤った情報を提供していた証拠だというわけです。また、(2)では日韓関係が戦後最悪という事態に陥った原因は、韓国に原因があると断定しています」(国際ジャーナリスト)
G20に際し、正式な日韓首脳会談は開かれなかった。日本にはトランプ大統領が短期間に3度も来日し、日米は蜜月関係にある。中国とも「永遠の隣国」という言葉が飛び出し、日中関係は表面上、目に見えてよくなっている。この国際情勢に韓国メディアは、危機感を露わにし「外交孤立」と落胆しているのだ。
まさに四面楚歌状態の韓国だが、ついこの間までは「お友達」がいた。去年3度にわたり首脳会談を行い、トップ同士が何度も抱擁を交わした北朝鮮だ。だが、「お友達」は米国と北朝鮮の間で「仲介役」を自任してきた文氏の顔面に手痛いパンチを繰り出した。
G20への出発を前にした6月26日、文氏は「米朝間で第3次首脳会談に向けての対話が行われている」、「金正恩党委員長の非核化に対する意志を信じている」、「水面下で連絡を取り合っている」とのメッセージを発した。
その翌日、北朝鮮メディアは外務省の米国担当局長の談話として、韓国とのやり取りなど「一つもない」と完全否定。加えて「朝米対話は、南朝鮮当局(文氏)が口出しする問題ではまったくない」、「まずは自分の家のことをしっかりとする方がいい」と文氏に対して「ひっこんでろ!」と言い放ったのだ。
「すでに韓国では、正恩氏が仲介役を文氏から習近平中国国家主席に代えたとの見方も出ている。制裁緩和を引き出せなかった文氏に失望した正恩氏が“使い捨て”にしたも同然です。文政権や韓国メディアがわずかながらも希望をかけていた第4次南北首脳会談構想も粉々にぶち壊わされてしまいました。面目丸潰れです」(韓国ウオッチャー)
北朝鮮は制裁長期化も想定し、韓国をソデにして中国やロシアとの関係を強化している。衆知のように中国の習主席は6月20〜21日まで、就任後初めて北朝鮮を訪問し、正恩氏と会談した。正恩氏は2回目の米朝首脳会談が決裂した後、米国から制裁緩和を引き出すための交渉再開にメドをつけられずにいた。
「会談で習氏は『朝鮮半島問題の政治的解決を支持する。北朝鮮の懸念を解決するため、できるだけの手助けをしたい』と述べました。米国の軍事攻撃に反対し、あくまで対話による妥結を模索するよう促すと同時に、米国が制裁緩和に応じないとする北朝鮮の懸念を払拭するため、力を貸すとまで表明しています。習氏としてはG20に出席する前に自らの北朝鮮への影響力を誇示し、貿易問題などで対立を深める米国に対し交渉を有利に進めるカードを確保する狙いがあったのでしょう。正恩氏としても、習氏を仲介者にトランプ大統領との3回目会談にこぎつけたい思惑がありました」(大手紙元ソウル特派員)
来年の大統領選への出馬を表明したトランプ大統領も、北朝鮮との対話継続を外交成果としてアピールしたい。
29日、トランプ大統領はツイッターで訪韓時に南北軍事境界線の非武装地帯(DMZ)を訪れることを明らかにしたうえで、正恩氏について「もし金委員長がこれを見たら、あそこにいる間、彼にあいさつしに軍事境界線に出ていくかも」と書き込んだ。
すると30日、トランプ大統領と正恩氏はDMZで会談が実現した。所在なさげな文氏が印象的だった。
さて、外交的に孤立する文氏が立ち直るには、正しい国際認識を持ってもらうほかない。そもそも、文氏が親中朝・反日米路線を歩む理由は、北朝鮮の金日成国家主席が唱えた「主体(チュチェ)思想」に深く傾倒しているからだ。
「チュチェ思想なるものは、金一族崇拝思想です。理論構築した故・黄長燁元党書記は脱北後、その誤りを指摘。文氏は20代でこの思想に洗脳されている。北朝鮮を『カルト国家』と断罪する米国が、チュチェ思想信奉者の文氏を信じるはずがありません。ですから韓国プロテスタント教会会長も文氏を大統領に戴く限り、『韓国は思想的にも滅亡に追い込まれるから、年内に下野を要求する』との声明を発表したほどです」(同)
文氏は相も変わらず「正恩党委員長の非核化に対する意志を信じている」と口にする。思想的に信奉する北朝鮮からボロ雑巾のように捨てられようと、自国民から非難されようと「踏まれても蹴られてもついていきます下駄の雪」のSM体質から脱北できないでいる。