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東京・六本木ヒルズの森ビルに赤信号! “借金の山”中国・上海ヒルズは命取りか

 「六本木ヒルズ」(東京・六本木)を運営する森ビルに赤信号が点滅しだした。「IT企業の象徴」といわれた六本木ヒルズだが、このところIT企業の移転が相次いでいる。
 「楽天は8月から品川区内に借りた23階建ての“楽天タワー”に移転を進めている。ライブドアも港区赤坂のビルに本社を移転した。ヤフーはヒルズに対抗して“東京新名所”の座を争う東京ミッドタウンに大部分が移転しました」(業界紙記者)
 森ビルは「新規入居希望が多く、ほぼ満室が続いている」と強気だが、建設業界関係者は「上海ヒルズが命取りになる」と語る。上海ヒルズは、森ビルが中国の上海に建設している高さ492m、地上101階建ての超高層ビル「上海環球金融中心」、通称“上海ヒルズ”。9月14日、上棟式を行った。総事業費1250億円を投じ、本家・六本木ヒルズのタワー並みの複合ビルを来年春にオープンさせて「上海のシンボルを目指す」と同社の鼻息は荒い。

 「賃料は周辺相場の3倍と強気に設定したが、既にみずほコーポレート銀行や三井住友銀行、みずほ証券などの入居が決まり、当初は開業1年後に50%前後と想定していた稼働率が90%を超えそう。これなら開業2年目で黒字になる」(森ビル関係者)とあって、式典に出席した森稔社長はご満悦だったようだ。
 しかし、中国ビジネスには大きなリスクがつきまとう。政府要人との太いパイプを武器に店舗を拡大したヤオハンは、要人の失脚後に破綻した。最近では三越が出資する台湾のデパートが中国資本のデパートと折半出資で北京に中国最大のデパートをオープンさせたばかりだというのに、中国側の寝返りにあって台湾側が追放される事件まで起きた。森ビルが、その轍を踏まないとの保証はない。
 「それでなくても森ビルにとって“上海ヒルズ”はイワクつきの物件なんです。着工したのは10年前で、その後2回にわたって工事の中断を余儀なくされている。六本木ヒルズと同時進行だったこともあって資金繰りに苦慮したうえ、出資企業間の調整が難航したのです。3年前にようやく工事を再開し、今回の上棟式に漕ぎついたのですが、40社に及ぶ日本の出資企業の中には海外経済協力基金(当時)の公的資金50億円が含まれている。血税をこの手の建設に注ぎ込んだことから“一体、どうなっているんだ”と問題になった。いくら日中友好のためとはいえ、血税投入は異例のことでした」(金融関係者)
 森ビルは今年3月期で売上高の5倍に当たる8200億円の有利子負債を抱え込んだ。株式を公開していないことから錬金手段が限られているとはいえ、見事なまでの借金漬けだ。
 「森社長は“行け・行け”の経営者ですから借金まみれを“勲章の一つ”としか思っていません。上海に続いてシンガポールでもヒルズビルを建てるべく野心を燃やしているし、他の国からもオフアーがあると自慢しています。その点、堅実路線を歩む弟の章さん(森トラスト・ホールディングス社長)とは好対照で、現に森ビルが六本木と虎ノ門地区で描く“第2ヒルズ計画”を巡って、弟の章さんが反発するなど、兄弟喧嘩に発展して世間の注目を集めています」(経済部記者)
 バブルの申し子と揶揄される森稔社長の面目躍如だが、巨額投資の結果が、どうでるか見ものだ。

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